北方四島ビザなし交流の訪問団の一員として国後島を訪問した日本維新の会の丸山穂高衆院議員(35)が11日夜,滞在先の国後島古釜布(ふるかまっぷ)で,訪問団員との懇談中,元国後島民で訪問団長の大塚小弥太さん(89)に「ロシアと戦争で(北方領土を)取り返すのは賛成か反対か」と語かけ,大塚団長が「戦争なんて言葉を使いたくない」と返したところ,丸山氏は「でも取り返せない」と反論。続いて「戦争をしないとどうしようもなくないですか」などと発言したことが問題となっている。 
 また,丸山氏はロシア人島民宅で飲酒した後で,訪問団員らの制止を聞かずに大声で騒いだり外出しようとしたりしたという。このため複数の団員が「日露友好の場にそぐわない」として丸山氏に抗議したところ,丸山氏は12日,滞在先の古釜布で全団員の前で「ご迷惑をかけたことをおわび申し上げます」と謝罪した。 
 一方,13日に北海道・根室港に戻った後の記者会見では「(マスコミに)発言を切り取られており心外。団員の中では領土問題についてタブーが無く話せると聞いており,団長にも考えを聞いた」などと釈明したが,日本維新の会の松井一郎大阪市長は同日,大阪市内で記者団に「(丸山氏を)厳重注意した」と語った。 
 与野党は15日,北方領土返還に関し「戦争をしないとどうしようもなくないか」との丸山氏の発言を「看過できない」「重大な問題だ」と批判。丸山氏に対する議員辞職勧告決議案の提出の検討を始めた。丸山氏を除名処分とした日本維新の会は議員辞職も求めているが,衆院の所属議員数(11人)が提出に必要な20人に満たないため,「決議案が出れば賛成する」方針だ。
 この決議案提出の動きに丸山氏はツイッターで反発しており,「言論府が自らの首を絞める行為に等しい」として,提出後はネットで反論動画を配信すると主張するとともに,「可決されようがされまいが任期を全うする」と,辞職はしないと強調している。
 戦争を知る89歳の方に,35歳の戦争を知らない若者がした発言。「戦争なんて言葉を使いたくない」との言葉には,戦争のもたらした悲しみや怒りが凝縮されている。
 人々の人生をも狂わしてしまう悲惨な戦争。「戦争を知らない子供たち」が日本に増えてきたとは国際社会に思われたくないものだ。