日本レスリング協会に続き,日本体操協会でも選手からパワハラが告発がされた。
記者会見で日本体操協会幹部からのパワハラ告発をしたのは,2016年リオデジャネイロ五輪体操女子代表の18歳の宮川紗江選手である。
宮川選手は体操協会の塚原光男副会長と妻の千恵子女子強化本部長から速見コーチの暴力行為を認めるよう強要され,その中でパワハラがあったと訴えた。
そして,塚原副会長らから「このままではオリンピックに出られなくなる」と圧力を受けたとし,「家族もコーチも否定され,私は速見コーチと引き離されてしまうんだと恐怖と苦痛で全てがおかしくなってしまいそうだった」などと訴えた。
また,宮川選手は速見佑斗コーチが協会から無期限の登録抹消処分を受けた問題で,コーチから頭を叩かれたり,髪を引っ張られたりしたことがあったと認めたが,「練習に気合が入っていない時だったので仕方ないと思った。暴力は許されないが,処分が重すぎる」と処分の軽減を求めた。
一方,宮川選手にパワハラで告発された塚原副会長は,記者団に「なぜ,彼女が嘘を言うのかわからない」「30日午後にプレスリリース(声明)を出す。今後会見することもあると思う」などとと宮川選手を批判していたが,塚原副会長や体操協会広報事務局に今のところプレスリリースや会見の動きは出ていない。
一選手が一人で記者会見を開くまで追い詰めてしまったことで,日本大学のアメフト問題同様,日本体操協会の体質を問われることになるだろう。
今回の記者会見を通じて,速見佑斗コーチの宮川選手に対する暴力が果たして我々が非難すべき暴力だったのだろうかと考えさせられた。選手生命を失う可能性もある大技を繰り出す体操競技。気を抜けば大けがだけでなく命を失う可能性のある競技なのだ。生死を分けるような練習の時,コーチが選手の命を救わなければいけないという強い思いが強い指導という形として暴力として表現されてしまったのではないか。暴力は許されることではないが,速見コーチの暴力の中身については,もう一度,調べ直すことが必要だと思う。