平昌オリンピックにおける韓国と北朝鮮のアイスホッケー合同チームの結成は,今年1月の板門店での南北協議で急遽決まった。スポーツへの政治介入で頭越しで突然チームをさう編成せよという命令に選手たちは一斉に反発した。
文在寅大統領がアイスホッケーを「マイナー種目」とみなして「国民の関心が集まる」と話したり,李洛淵首相が「メダル圏内にいない」と韓国チームを軽んじるような発言をしたりしたことで,さらに世論の怒りを助長した。
開会式では,合同チームの主将,朴ジョンア選手(韓国)とチョン・スヒョン選手(北朝鮮)が聖火リレーに参加。2人で最終点火者の金姸児さんに聖火を渡すことで友好ムードを演出したが,選手たちの中には不満が鬱積していたことだろう。
特に注目された日本との試合では,観客席の応援は,統一旗や韓国国旗を手にした韓国の観客や北朝鮮の美女応援団が圧倒していたが,世界ランキングで格上の日本が序盤から押し気味に進め,1点を失点したものの圧勝した。
今回女子アイスホッケーが政治の具とされてしまったが,南北と日本という3カ国の選手が同時にプレーしたことは歴史的な出来事であり,今後の東アジアの平和や安定,友好関係に影響を与えられれば韓国の選手たちも報われるのではないだろうか。
しかし,現実には韓国と北朝鮮の選手たちの意識には大きな隔たりを感じる。
北朝鮮の選手は一貫して「国のため」という姿勢を貫いており,初戦後の記者会見で,北朝鮮高官らが観戦したことへの感想を問われた際,北朝鮮のチョン・スヒョン選手は「最高の栄誉」と答えたが,朴ジョンア選手が「特別なことはない」と突き放したように答えた。その時,チョン選手が朴選手を困惑した表情で見つめたときは印象的だった。合同チーム内がまとまっていれば,もう少し場の空気を読むような反応を朴選手はできただろうに,聞こえてくるのは南北選手の不協和音ばかりである。