米国と北朝鮮との軍事的緊張関係は続いているが,米国防総省が北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃する能力を確認するため,5月中に海上配備型迎撃ミサイルと,地上配備型迎撃ミサイル(GBI)の発射実験を行うとのことである。北朝鮮による新型の中距離弾道ミサイル「北極星2(KN15)」や大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発を牽制(けんせい)する狙いがある。
 海上配備型迎撃ミサイルの発射実験は,日米が共同開発中で,2月に初の実験を成功させた「SM3ブロック2A」による北朝鮮の中距離弾道ミサイル迎撃を想定して行われる。
 現在,米海軍や海上自衛隊に配備されているSM3では迎撃が困難という。1千キロ以上の高度まで到達できる改良型のブロック2Aを実験することで,北朝鮮に迎撃が可能であることを示すことが狙いである。
 また,GBIはICBMから米本土を守るため,アラスカ,カリフォルニア両州に配備されている。
 北朝鮮は国際的な批判を無視するように核,ICBM開発を進め,米国を挑発しており,中国も警告を無視して核やミサイル実験を繰り返す北朝鮮に苛立ち,独自制裁を実施している。
 一方,日本への入港が禁止されている北朝鮮の貨客船「万景峰号」がロシアと北朝鮮を往来する定期便に使われることが明らかなった。
 今後,万景峰号の運航を手掛けるロシアの「インベスト・ストロイ・トレスト」社によると,第一便は来月8日に北朝鮮北東部の経済特区・羅先(ラソン)を出発し,10時間かけて翌9日にロシアのウラジオストクに到着予定とのことである。今後は月に6回程度,往復する計画で,乗客と共に,食品や家具,自動車部品などを運搬するとのことである。
 「インベスト・ストロイ・トレスト」社では,長年,付き合いのある北朝鮮の民間人を手助けしたいという思いもあり,運航を開始するとのことだが,米国や中国などが核実験・ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への圧力を強めるなか,久々の「万景峰号」の復活に国際社会がどのような反応をするのだろうか。