日露首脳会談後,安倍首相は「今回,4島において,共同経済活動を行うための,特別な制度について,交渉を開始することで合意した」と北方領土での日ロの共同経済活動に関する協議を開始することを発表した。
安倍首相は,北方領土で,共同経済活動を開始して,領土問題の解決につなげる姿勢を示し,プーチン大統領も,平和条約締結交渉を続ける,いい機会になると応じたが,国民の多くが期待した領土返還には至らなかった。
記者の質問にプーチン大統領も応えていたように,北方領土に米軍が駐留することは,ロシアにとっては安全保障問題なのである。日米安保が存在する限り,北方領土は国防上渡せないのだ。また,同大統領は,ロシア側の歴史認識を日本国民に説明し,公の場で理解を求めてきたのだ。
これに対して,安倍首相は日本の歴史認識を説明した上で,両国にとっての明るい未来を主張すべきであったが,結果としてロシア側の一方的な歴史認識の公表の場となってしまったのは残念である。
今回の日ロ首脳会談を受けて,ロシア人からは,「島を譲らず,経済支援を勝ち取った」などと,プーチン大統領を評価する声が相次いでおり,「わたしたちは,大統領に恵まれている」などと声が上がっている。
アメリカのワシントン・ポストは,今回の首脳会談について,「日本側の期待から,ほど遠かった」としたうえで,「安倍首相は,領土問題の進展を望んでいたが,結果として,経済事業のために,ロシアに金を渡すことになった」と伝えている。
国内では現在無敵の安倍首相だが,ロシア側の政治的なスタンスを変えることはできなかったのは,的確な国際情勢を見通す情報がどこかで止まっていたか,国内での支持率の高さから首相の決意に反する情報が受け入れられなかったのだろう。
我々日本国民は日露首脳会談を見る限り,トップに恵まれたのだろうか。