政治資金管理の運営問題が表面化した小渕優子経産相が10月20日,総理官邸で安倍首相と会談し,「国民の理解を得るのは難しい」と辞表を提出した。
毎年「女性部大会」なる名目で,東京・明治座を借り切って観劇会を催している小渕優子の後援会。集めた会費の総額と実際に明治座に支払った額との間に約1300万円もの隔たりがあることから,小渕の政治団体が差額を負担している疑いが浮上し,これが,公選法が刑罰をもって禁止する「利益供与」にあたるのではないかという疑惑。
 次に,小渕の政治団体が,群馬県下仁田町の農家から毎年,年末になると約60万円近い「下仁田ネギ」を購入していることが政治資金の私的流用や選挙目的での利益供与にあたるのではないかという疑惑。
 また,同団体は,彼女の実姉が経営するブティックに,贈答用のネクタイなどの購入費や姉が出した自費出版本の買い取り費用として3年間に計362万円をも支出し,他にも,ベビー用品や化粧品などの代金を支出していた記載もあり,これまた政治資金の私物化ではないかという疑惑。
 さらに,選挙区内の有権者男性に対して自分の顔写真入りラベルが貼られた「特注品」のワインを送っていた事実も発覚。
 小渕氏は,衆院経産委員会で,野党からの追求に対し「選挙区に(贈り物をしたこと)はありません」と答弁していた。
 しかし,小渕氏は野党の追及に耐えきれないと判断したのか,「政策の停滞は許されない。大臣としての職を辞す」「大変お騒がせしていることに対し,迷惑をかけているすべての皆さまに心からお詫びする」「政治家として一から出直す」と頭を下げ,政治資金不正使用疑惑の責任をとる形で辞任した。「政治とカネ」の疑惑については最後まで納得いく説明はなく,公私混同が問われていることについては「公私の区別はしっかりつけている」と否定し,議員辞職は否定した。
 安倍内閣の“目玉女性閣僚”であった小渕氏は,これまでクリーンなイメージで売ってきたが,あまりにもお金に対して無防備すぎたのだろうか。
 政治資金収支報告書の収支が合わないことに関しては,「私自身,分からないことが多すぎる。何でこうなったか疑念を持っている」「大きな疑念があると言わざるを得ない」と他人事のような言い方に終始していた。
 実際,小渕氏のカネの管理も,事務所の運営も,地元からの陳情の処理も自分では何一つできていなかったのではないだろうか。小渕氏周辺には,父の代からの交流のある古い体質の「政治のプロ」が側近として幅を利かせており,政治資金管理に関してもすべてプロである側近や秘書まかせにしていたことが,今回の無責任さを感じさせる釈明につながったのだろうか。これまでは神輿に乗っているだけの「田舎のお姫様」だったのだろう。