日本の村山富市元首相は,2月11日,韓国野党・正義党の招待を受けて訪韓し,元従軍慰安婦らが主催する「旧日本軍従軍慰安の婦作品展覧会」に出席した際, 元慰安婦女性3人らと面会した。その際,村山氏は「健康をお祈りします」と激励の言葉をかけるとともに,2004年に死亡した元慰安婦が描いた絵画を受け取り,その後,正義党主催の晩さん会にも出席し,1995年の首相在任中に発表した「村山談話」について言及し,「日韓関係が緊張するなかではなおのこと『談話』を忘れてはならず,相互信頼関係を築く必要がある」と語った。
 続いて,村山氏は,翌12日,ソウルの国会で開かれた超党派韓国議員の会合で講演。
 過去の植民地支配などを謝罪した1995年の村山首相談話について,「安倍首相も継承すると言っている。総理大臣として(談話を)否定できない,と申し上げることができる」と強調し,従軍慰安婦問題については「女性の尊厳を奪った大きな罪だ。日韓両政府の話し合いのもとに解決せねばならない。政府間で話し合い,決着をつけてほしい」と訴えた。
 講演終了後,村山氏が記者会見で朴槿恵大統領に対し,「早く首脳会談を開いて,忌憚のない意見交換をしてほしい」と求めた。
 さらに,「日本国内では不規則発言をする者もいるが,恥ずかしい限りだ。(慰安婦の強制性を認めた1993年の)河野談話はしっかり調査してまとめたもので信頼すべきものだ」と断言した。
村山氏の今回の発言や行動は,韓国側の意に沿う内容だったに違いない。
 慰安婦問題で,「日本軍による強制」の有無が争点になり始め,軍の組織的な関与が立証されていない今,村山氏にとっても,同人の談話を否定されることは政治家としての生命線を断たれるばかりでなく,歴史に自らの汚点を残すことにもなり,この時期の訪韓になったのだろう。
 日韓両国は,一方的な主張を繰り返すだけでなく,両国間による「慰安婦調査チーム」を立ち上げ,真実の解明に努めることが将来に向けた両国間の発展につながる。
 村山氏は,「政治利用」ももよく考慮した上での訪韓だったのだろうか。