紙不足
◆東京都内の印刷屋は紙不足状況にある。年末需要に加えて東京都知事選挙、そして予想されていたとはいえ29年ぶりの総選挙というダブル選挙需要が重なって、注文を受けても用紙の在庫が切れるため、印刷までに数日待ち、というケースがでている。このため東京で選挙用ポスターなど印刷物の手配をすませて一刻も早く地元選挙区に入りたい衆院議員秘書らが東京に足止めになっている状況が生まれている。野田首相の14日の党首討論の場における電撃解散宣言の余波が、解散3日後の19日も尾を引いている。
対決構図
◆異例づくめの総選挙である。19日に民主党を離党した山田正彦元農水相と元国民新党代表の亀井静香氏の2人が新党を旗揚げ。主要政党だけで15を数えることになった。終戦後の混乱期を除いて最も数多い政党が議席を争うことになりそうだ。だが、整理すれば、それほど複雑ではない。
最近10年の政党系譜から見れば民主党グループ(民主党、国民の生活が第一、減税日本、新党日本、みどりの風) 自民党グループ(自民党、国民新党、新党改革、新党大地)、民主・自民両党又かけグループ(みんなの党、日本維新の会)、そして公明党、日本共産党、社民党である。
政党が立脚する政治思想から腑分けすれば保守政党グループ(民主党、自民党、国民の生活が第一、みんなの会、日本維新の会、国民新党、減税日本、新党改革、新党大地、宗教政党(公明党)、革新政党グループ(日本共産党、社民党、新党日本、みどりの風)に大雑把に分けられる。
さらに基本政策を基軸にどう分けられるか、という点が問題である。総選挙の3大争点といわれる原発、TPP,税と社会保障一体改革(消費税増税)で、明確に線引きができない。なぜなら、民主党のように2030年代に原発ゼロをめざすと看板に掲げるが、実際に「極論を排す」(野田佳彦首相)として、限りなく近い時期の原発ゼロには、反対する立場をとる政党があるためだ。原発政策では民主党が立つスタンスに似た政党が目立つ。TPPでは安倍総裁の自民党が曖昧な立場である。消費税増税は3党合意で進めた民主党、自民党、公明党が足並みを揃える。つまり、3大争点について、その政党の表面的な主張だけを真に受けて○、×の二者択一で、にわかに判断できない難しさがある。政党の数の多さだけでなく今回総選挙が有権者にとって複雑だと言う意味が、この点にある。
虚を突く
党首討論で安倍総裁を気迫で打ち負かせたと気をよくしているという野田首相だが、有権者に同じような虚を突く手法が通じるかどうか。