◆6月14日発売の『週刊文春』誌上で、独占スクープで取り上げられ民主党小沢グループに衝撃を与えた小沢一郎民主党元代表の和子夫人の「離縁状」の全文コピーと思われる文面(11枚)が21日、参議院議員会館の各議員事務所に郵送で送りつけられた。封書で差出人はなく、宛先き住所の「100-8962千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館」は印字で、宛先き議員名は手書き。料金別納印ではなく切手が貼ってある。消印は浅草、神田など東京都内の郵便局管内で投函されたと思われる。
◆「まだ、強い余震がある中、お変わりありませんか」ではじまり、「七月には別の所に住所を移しました ご一家のご多幸を心より祈り上げております 小澤和子」で終る文章は、『週刊文春』が伝えた、小沢夫人が昨年、岩手県内の小沢後援会役員に出した離縁の通知文と同一のもの、である。『週刊文春』は手紙の筆跡は小沢夫人のものに間違いないとの筆跡鑑定のうえで確認したとして、文面の一部を写真入りで紹介した。送りつけられたものは、同誌が取り上げた小沢夫人の手紙とされるものの全文と見られる。
◆消費増税をめぐる民主党と自民党、公明党との「3党合意」が成ったその日に照準を合わせたかのような『週刊文春』報道は、その動機がどうあれ結果として消費増税に反対する小沢氏と同グループを直撃し、戦闘態勢を削(そ)ぎ、反対に傾きかけていた「中間派」の勢いを萎(な)えさせた。同じ発売日の『週刊新潮』は、小沢チルドレンの田中美絵子衆院議員が国土交通省中部整備局次長との密会写真をすっぱ抜き報道。小沢グループはダブルショックに見舞われた格好だが、2誌の報道は、野田首相はじめ民主党主流派に有利な状況をつくるのに効果抜群であった。
◆ただ議員会館に小沢夫人私信を大量にばらまいたことで、小沢バッシングの一連の特定週刊誌報道が、組織的な権力的な背景を帯びた動きであることを端なくも露呈した。小沢夫人のものとされる手紙全文をどうして入手できたのか、入手ルートは?「週刊文春」編集部から流出したのか?筆者の松田賢弥氏が流したのか?細かな話ではあるが、参議院議員242人全員に送られたとして、切手代は一通90円だから郵送代金だけで2万1780円。恐らく近日中に衆議院議員会館全室に送られるとすれば、その切手代は4万320円で衆参あわせて6万円を超す。さらに手紙のコピー約8000枚(1枚10円とすれば8万円)の代金を含め、12万円を超す経費がかかる。
ひょっとして、この議員会館への「小沢夫人文送りつけ」事件で、一連の小沢離縁状報道の舞台裏が割れる、かもしれない。