法案審議は順調

野田民主党政権にとって最大の難所にさしかかりつつある消費税増税審議だが、論戦の舞台である衆院社会保障税一体改革特別委員会は「きわめて」がつくほど順調に運んでいる。このままだと24日午前中の首相出席の「総括質疑」が終わるまで波乱は起きそうにない。

消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連7法案は、8日の衆院本会議で年金関連2法案が審議入りしたのを皮切りに、10日に子ども・子育て新システム官連3法案、11日に消費税関連2法案の審議が、それぞれ始まった。これをうけ17日の特別委員会理事会で24日までの委員会審議日程を確定した。25日以降の日程については、引き続き協議していくことで合意している。23日時点まで、日程は寸分も狂いを生じていない。

民主理事のアポなし急襲

特別委員会審議に先立って民主党の特別委理事メンバーが手分けして、自民党筆頭理事の伊吹文明、次席理事の逢沢一郎の両氏、公明党理事の西博義氏と接触をはかるため、京都、岡山、和歌山にある3氏の自宅、事務所などをそれぞれ「アポなし」(アポイント=約束=なし)で押しかけた。民主党理事の武正公一、古本伸一郎両氏が手分けして、生花を手土産に急襲した、というのだ。委員会審議への協力方を求める民主党側から「求愛行動」に及んだわけだが、純愛には程遠い生臭い政界である。手土産が、季節の花束というのでは、この世界の『仁義』にもとる、と見るのが永田町である。「子どものつかいではないよ。花束のなかに『お土産』が差し込んであったんだろうと想像しない政治家はいない」。民主党議員は、さらりといってのける。

野田政権発足後半年で内閣官房機密議6億3千万円ナリ

政府は18日の閣議で、昨年9月の野田内閣発足から今年3月までに、6億3千万円の内閣官房報償費を支出したとする答弁書を決定した。内閣官房報償費は領収書や支出明細を必要としない「機密」費として知られる。自民党政権当時は、国会対策費や政治工作費として与野党議員へ支出されていたことが官房長官経験者などの証言で明らかにされている。『週刊朝日』最新号(6月1日号)では元民主党参院議員の平野貞夫氏が爆弾証言だとして、衆議院事務局職員当時に衆院議運族の海外視察に際して、首相官邸から引き出した金を与野党参加メンバーに配った、と当時の日記をもとに暴露している。平野証言には、谷垣禎一現自民党総裁、中野寛成現衆院社会保障税一体特別委員長が金をもらった側として名が登場している。

 5月7日の当永田町地獄耳は、消費税導入を決めた1988年の衆院税制問題等調査特別委員会の金丸信委員長が、与野党議員との懇親の席で封筒入りの「お土産」を手渡したという挿話を紹介した。

 今回はどうか。ここまでの社会保障税一体改革特別委の滑らかな審議状況の裏に、やはり「お土産」があったのかどうか、それはわからない。しかし、想像をたくましくさせてくれることだけは確かだ。