破格のランク
◆「国家又は公共に対し功労のある者」で、「功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた者」が叙勲対象になるのが「旭日章」である。旭日大授章は、「旭大」と略称され一般官公職にあった者にたいする最上位にあたる。春の叙勲で、小説家・経済評論家の堺屋太一氏が「旭大」を受賞した。
堺屋氏は、大阪市生まれ、76歳。1960年、通商産業省(現・敬座愛産業省)入省、70年の大阪万博、75年の沖縄海洋博などを企画・実施にかかわるかたわら、75年に『油断!』で作家デビュー、76年に発表した小説『団塊の世代』は、戦後第一次ベビーブーム世代を「団塊の世代」と位置づけたことで知られる。78年に通商産業省を退官した後は、作家、経済評論家、イベント・プロデューサー、小渕恵三内閣の98年に経済企画庁長官に就任し、第2次森内閣まで務めた。昨年10月末に橋下徹大阪府知事(当時)と共著『体制維新―大阪都』を刊行、同年12月に大阪府特別顧問、大阪市特別顧問および大阪府市統合本部特別顧問に就任するなど、最近では橋下・大阪維新の会の後見役として知られる。
橋下維新の会
◆「旭大」は、2003年の栄典制度改正以前は「勲一等旭日大授章」と称された。閣僚経験2回以上が概ね基準とされた。旧制度に照らすと堺屋氏の「旭日」受章は、破格の扱い、とわかる。今回、同じ「旭日」を受賞した島村宜伸元農水相は文部相にも就いた複数閣僚経験者で、衆議院の常任委員長な「叙勲カウント(数値)」は高い。
叙勲の最終決定は閣議である。野田佳彦内閣の意向が、堺屋叙勲に投影されていたと考えるのは自然である。民主党政権では、仙石氏が、官房長官当時、元公明党委員長の矢野純也氏に「旭日」を叙勲したのが、矢野氏と昵懇の仙石氏の差配だったといわれたケースがあった。いま次期解散総選挙で大阪維新の会が台風の目になると見られている。堺屋氏への叙勲は、野田・民主党が橋下維新の会との連携を探るサインだというのだ。
原発再稼働で競演?
◆一方、橋下徹大阪維新の会代表(大阪市長)は、表向き民主党政権と対峙する姿勢をアピールしながら、水面下で民主党首脳と接触を深めている。原発再稼働をめぐって橋下氏は「裏・表」一体作戦を展開している。原発再稼働への8条件(のち8課題にトーンアウン)を打ち上げ、政府の再稼働方針に真正面から叛旗を翻す。他方、水面下で民主党政策担当首脳や経済産業省原発担当幹部と密かに接触する。橋下氏側も対決一辺倒の姿勢ではない。政局は不測の展開の様相である。