自民党は24日、党本部で全議員・選挙区支部長懇談会を開いた。次期選挙へ向けた公約案への意見聴取のためだ。次期総選挙へ向けた現職、再起をめざす落選中、新人候補者から、さまざまな注文が出た。冒頭あいさつにたった谷垣禎一総裁は最大の争点になるであろう消費税増税問題に触れた。「税と社会保障の一体改革、消費税に関しては私どもは2年前の参院選で消費税は必要だと掲げて戦った。今日もその基本線にいささかも変化もない」としつつ、谷垣氏は「しかし、一体改革と銘打っていてもこの社会保障のあり方に対しては、私どもは大きな疑念を、そして異論をいだいている。このままでは協力せよといってもできるものではない」と相変わらず煮え切らない言葉に終始した。「わが党が長い間政権を委ねて頂いて蓄積したノウハウ」を強調したが、政権奪還へのプロセスは示さずじまい。解散総選挙へ向けて政策面における共通認識を深めるねらいで開催された懇談会だったが、選挙区を駆けずり回る候補者の必死の思いと党総裁・執行部との間にはかなりの認識ギャップがあることが浮き彫りになった格好だ。

出るわ出るわ ガスを抜くどころかガス爆発  候補者たちの発言録

福岡9区・三原朝彦(落選中)  公約案には、財政再建、借金をどうするか全然書いていない。大いなる問題だ。税制改革も耳目を集めているので1つの項目をたてるべきだ。消費税問題、資産課税もあるから。

東京3区・石原宏高(落選中)  ぜひ私にやらせてほしいが、中長期の財政シュミレーションを自民党はこうだというのを作らせて下さい。

東京7区・松本文明(落選中)  民主党も自民党も消費税は10%、税率は一緒だが、その違いが見えてこない。デフレ不況、今年は社会保障費もあがった。電気料金もあがった。民主党と同じように是が非でも10%の実現を目指していくのか。複数税率を認めるのか、スタンスの違いを説明してもらいたい。

福島5区・坂本剛二(落選中)  放射能の勉強会を自民党もやっているという姿を見せるべきだ。除染はやっているけど消えていない。除染のあり方を原発推進した政党の責任をとるという点でもやってもらいたい。

千葉4区・藤田幹雄(落選中)  野田首相の選挙区だ。首相就任から半年以上、当初地元は盛り上がったものの、いまは支援者も野田首相に対して厳しい目を向けている。首相の支援者のJC(青年会議所)OBが、消費税増税を反対と駅前で言い続けろと、そうすれば勝てるからといわれるくらい、消費税に頭にきている支援者も多い。民主党に対する反論の基軸をしっかりつくってもらいたい。

愛媛3区・白石徹(新人) 増税で地方が疲弊するとかあると思う。政策手順のこともお願いしたい。

参院(京都)・西田昌司 民主党がやっているのは日本解体だ、だから日本解体阻止だ。個別にいうと民主と同じようになってくる。政策の整理をしないと。(民主がやっていることのなかには)自民党がやってきたこともあったわけだから方向をかえないといけない。

東京15区・秋元司(参院落選衆院へ鞍替え): 本当に消費税をうたう必要があるのかと疑問を突きつけられる。震災後、復旧復興が終わるまでは当分この話をしないというくらいのメッセージをだしてもいいのではないか。

鹿児島1区・保岡興治(落選中) 金融、不動産の資産もずいぶん落ちている。政権を取ったらこうかわるんだという深みをつけてもらいたい。

参院(群馬)山本一太(現職): 参院で問責を出した。公明党とすべて対応が一致しなかったのは残念だったが、公明党もみんなの党も野党も賛成して可決した。参院の意志としてはとても重い。だから、翌日からすべての審議をそのままやるんだということはあってはならないし、できない。

東京比例・平将明(東京4区) 政策原案を見ると、我が党は数字である程度ブレークダウンしておかないと、民主党の二の舞になる可能性がある。

北関東比例・新藤義孝(埼玉2区) 民主党を厳しく糾弾するのは当然のことだ。日本の国を本当に立て直す能力と責任があるのはどこかということを示さないといけない。

東京14区・松島みどり(落選中) 一般国民から見て身を切る改革という時に赤坂議員宿舎8万円台、あれはきつい。野党からでも声をあげてもらいたい。

鹿児島3区・宮路和明(落選中) 消費税はデフレが加速している中で一体これをやるとデフレスパイラルがさらに起こっていくのではないか。以前の我が党が増税をマニフェストに書いたころとは状況が変わっている。なぜこの時期に消費税増税なのかという状況を踏まえ説得力のあるものをうち出してもらいたい。

九州比例・岩屋毅(大分3区) 問題なのは原発。10年かけて決めるというなんていうのは政策のうちに入らない。なにもやらないといっているに等しい。大きな方向性は打ち出すべきだ。国会対応で全面審議拒否を事実上撤回されたのは結構なことだ。動かない政治なんか誰もみたくない。進むべき審議はどんどん進めていく。自民党が決めていく方向に我が党はかじをきっていくべきだ。

福島4区・菅家一郎(新人) もう少し原発事故の事を位置づけてもらいたい。消費税の問題は3・11から大きく変わっている。抜本的な二重行政解消など議論する中で慎重に議論してもらいたい。

長野5区・宮下一郎(落選中) 4月28日に向けて憲法草案を出すようだが、意見集約する機会をつくってもらいたい。既成政党は駄目だという批判にさらされている。選挙制度、国会システム含めて案をまとめ、決められるシステムを実現すると主張してもらいたい。

千葉6区・渡辺博道(落選中) 現場を歩くと中小企業が大変厳しい状況にある。なぜ消費税が優先課題として出されるのか。経営者にとっては死活問題だと聞く。

近畿比例・松浪健太(大阪10区) (大阪維新の会が主張の)道州制を書いてもらい感謝申し上げる。

東京18区・土屋正忠(落選中) 道州制については、基本法を決めるのは結構だが、どういう国を目指すのか考えないと進まない。

栃木2区・西川公也(落選中) TPPについては交渉参加反対と明言してくれた。ありがとうございました。これは後退しないようにお願いする。

大阪9区・原田憲治(落選中) 憲法改正のことで自衛権を明記、自衛軍と位置づけとあるが、ぜひ国軍と直してもらいたい。

千葉8区・桜田義孝(落選中) 民主党との違いをわかりやすくするために尖閣を守れとか、国防軍、国防省でいいと思う。

神奈川18区・山際大志郎(落選中) 都市部に関しては地方の重視と書いてあるが、都市部に関してはどうするんだという話が出る。

神奈川8区・福田峰之(落選中) 郵政民営化、国土強靱化含め小泉以前の自民党に戻っているのではないか。このままでは選挙ははっきりいって戦えない。小泉以前に立ち返っているというようなやり方は訂正してもらいたい。

神奈川12区・星野つよし(新人) 消費税について民主党も自民党も10%とわからないということになっている。

神奈川7区・鈴木馨祐(落選中) TPPをしっかり責任をもって進めると言えない内向きの党に自民党はいつからなったのか。民主党は福祉、自民党は公共事業で大きな政府になるのではないかという声が出ている。改革政党、自民党はどこにいったのかという声もある。

大阪4区・中山泰秀(落選中) 大阪の茶の間でテレビを見てると自民党も民主党も政党はすべて与党に見える。野党第一党は維新の会の橋下徹さん。大阪で見ていると地方議員の人たちは自民党を裏切って自分のバッジを大事にしたいから維新の会へ寝返った。自民党本部が守るべきは昨年の統一地方選で寝返らずに自民党で頑張ってくれた保守本流だ。ホーホケキョと啼く政治家が出てきたらバッジが欲しいからホーホケキョといっていたら民主主義ではない。コケコッコーと啼く政治家がいると教えるのが民主政治だ。目を覚ましてもらいたい。

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 自民党は一つにまとまって総選挙を戦えるのか。台頭する第三勢力に対抗できるのか。解散総選挙は最短で2カ月後、最長でも来年8月までに必ずある。議論を聞いているかぎり、政権与党の座を奪還するには、至難の業とのようにも思われるのだがーー。