狙いは株価操作?!

橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)と松井一郎大阪府知事(同幹事長)は関西電力の大飯原子力発電所3、4号炉の再稼働を認めるさいの8条件を10日、示した。8条件とは①原子力規制庁設置②新体制による安全基準の作り直し③新基準にもとづくストレステスト(耐性試験)実施④事故を前提の防災計画と危機管理体制⑤原発から100㎞圏内の住民同意を得て、府県と安全協定の締結⑥使用済み核燃料最終処理体制の確立⑦電力需給の徹底検証⑧損害賠償など原発事故リスクで生じる倒産リスクの最小化。――再稼働を急ぐ政府、電力業界と真っ向から対ちるする中身である。

 これに対して藤村修内閣官房長官は同日午後の記者会見で「支離滅裂だ」と強い不快感を表明した。一方、橋下氏は、早速、同日夜にツイッターで反論。「むしろ国の方針が錯綜している」。対決姿勢を強め、エスカレートさせた。「維新八策」に続く「再稼働8条件」。橋下・維新の会は8がというキーナンバーを用いて、国政進出をうかがう次の総選挙で争点にすえたい思惑もからませながら、政府・電力業界と全面戦争を仕掛けているかのように映る橋下氏だが、その狙いはどこにあるのか。

橋下氏の狙いの一つは関西電力の株価操作にある。関西電力に原発再稼働に高いハードルを突きつけて、ダメージを加え、経営上のリスクを及ぼすような空気を拡散することで、関西電力株は、下落する。政府・関電との揉みあいを通じて、関電株の流動化をはかる。その先行きで、夏場を控え、電力需給がひっ迫する恐れが広がる状況を醸し出したすえに、住民生活をしのぐために、との理由で大飯原発の再稼働を含む妥協をはかる、そこで窮地を脱した関電の株価は持ち直すーー。低い株価の時期に入手した関電株を、株価が上向いたころ合いを見計らって売り抜ける。こんな密談を交わす仕手筋が橋下関連人脈には存在する。

関西電力株の株価は東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故4日前の昨年3月7日は2129円。それが東電事故後に、1200、1300円台に急落。大阪府知事・市長ダブル選挙中に大阪市長選候補者だった橋下氏は、大阪市は関西電力の筆頭株主として脱原発を提案すると言明したのをうけ、関電株はさらに下げて、橋下氏が市長に当選したあとの同12月5日は1103円まで落ち込んだ。昨日(4月10日)は1351円。在阪マスコミの1部は、橋下氏関連人脈に関西電力株に数百億円を動かす仕手筋の存在を確認しているという情報がある。橋下氏が弁護士時代から付き合いがある島田紳介や許栄中関連の人脈がかかわるともされる。

真偽のほどは確認してみなければ不明だが、橋下氏は、10日の報道陣とのやり取りで、ことさら「関西電力の株価」に言及しているのは奇妙である。自治体トップ、行政や政治家が特定企業の株価に触れるのはタブー(禁忌)である。正常な株取引への介入、株価操縦とみなされかねないからだ。「関電株の株価が上がれば筆頭株主の大阪市の配当収入が増えるので、一石二鳥ではないか」と橋下氏なら、いいかねない。