次のヤマ場は5月中旬以降
◆消費税増税という重荷を自ら背負った野田首相、前門の野党、後門の党内増税慎重派の抵抗と連立与党である国民新党の足並みの乱れ、という事態を乗り切って、とりあえずは緒戦の関門はくぐった。2011年度内の閣議決定―国会提出の公約通り野田佳彦首相は消費税増税法案を国会審議に委ねた。衆議院での審議のための特別委員会を設けるかどうか2日以降の与野党折衝の結果による。消費税増税法案の本格的な審議が交わされるのは5月中旬以降の見通しだ。参議院の審議日程を考慮すると6月21日までが会期の今通常国会の延長は避けられない。衆院における審議と採決が次の大きなヤマ場になる。3月29日未明の党議決定、同30日の閣議決定は、党内批判派は抵抗をぎりぎりの「寸止め」で自重する対応をとった。衆院採決時には、野田首相は解散権をちらつかせながら党内増税慎重派と野党を揺さぶり主導権確保を狙うだろう。これに対して党内批判派と野党は正面対決辞さずの対応に向かう可能性が高い。解散含みで展開することが予想される。法案成立にたどり着くまでに野田内閣にとっては、乗り越えなければならないヤマ場がなお二山も三山もある。
財務省の暗躍
◆8日間45時間余に及んだ消費税増税法案の事前審査で、民主党内の増税慎重派は実質的な法案の修正を引きだした。再増税条項の見送り、歳入庁の設置検討、景気指標の数値を書き込んだ、ことなどだ。しかし、財務省は民主党内の修正・意見集約の見通しがた立ったのを見届けて、即座に再修正へ動いている。
財務省による法案再修正の動きは3点、民主党の党議決定をはかるために譲歩した再増税条項を復活させる、歳入庁設置をないものとする、景気指標の削除、である。民主党の党内調整のために「修正」した部分の復活に動いている。すでに野党の自民党などの財務族議員への働き掛けに入っている。
なんのことはない議論をすり抜ける見せかけの「修正」を施して、民主党内の合意が取り付けられたら、もとに戻す、という狡猾な作戦である。
◆馬渕元大臣の憤怒
馬渕澄夫元国土交通相は「八日間、四十数時間の与党の議論などまったく何とも思っていないのだろう。閣議決定で法案提出までこぎつけたら、次は国会での再修正を野党に働きかける。そして、法案成立して増税の既定路線が出来上がれば、政界がどうなろうが、政権をどこが担当しようが関係ないのだろう」(メルマガ2012・3・31)と怒る。
おそらく野田首相―財務省がタッグを組んだ仕掛けであろう。馬渕氏の憤怒は当然といえる。