野田政権は6日までに、閣僚、副大臣、政務官など内閣と党役員や衆参委員長など党の人事を全てを決めた。臨時国会も13日から召集される。挙党態勢を目指す「ノーサイド人事」といわれるが、検証すると、財務省傀儡の「増税路線」とか、適材適所を無視した「グループ均衡人事」など、いかがわしい野田内閣が見えるのである。
  
  野田首相の「ドジョウ」のファッションは国内では評判がいいが、海外メディアは、ドジョウと野田の報道に苦労している。そもそも、海外ではドジョウという魚が珍しいからだ。だが大して気にしていないという。首相の任期が長くないと予想しているのと、日本が国際的に報道価値が下がっているからだ。そのうちに、ドジョウも野田も飽きられると見ているようだ。

  それにしても、内閣支持率は各社とも60%前後までV字回復したが、政権の評判は余りよくない。「どういうつもりだ」、「なんだこれは」、「本気なのか」などとメディアが疑問を投げかけている。そもそも前任の財務相である野田首相は、財務省に取り込まれた傀儡といわれている。

  輿石幹事長とか前原政調会長など実力者が党役員に偏り、「党高低政」になったせいもあるが、信じられないのは、財務大臣になったのが、初入閣の安住淳であることだ。これまで財務大臣の重要閣僚に初入閣の閣僚が起用されたことはない。しかも安住は財政経験が皆無の素人である。異常なことである。財務省から苦情が出ていないのは、同省の差し金としか考えられないことだ。
  安住は増税路線を進める財務省の操り人形である証拠だ。国会答弁は野田首相が財務大臣をカバーするのであろうか。藤井裕久元財務相が新設の党税調の会長に就任するのも、震災増税と消費税増税を進める増税シフトである。財務省傀儡の「財務省内閣」、「増税内閣」といわれても仕方がない。

  素人といえば、重要閣僚である玄葉光一郎外相も、外交に携わった経験がない。外交では、日米の普天間基地、日露の北方領土、日中の尖閣列島、日韓の竹島など問題が山積している。一川保夫防衛相も沖縄米軍基地では門外漢である。世界は首脳外交時代である。首相や外相が国際会議に出席して信頼関係を築くことが前提となる。素人の外相と防衛相で日本の国際関係や安全保障はどうなるのであろうか。
  経済も国際的になっている。8月、米格付け会社が、日本国債の格付けを一段階下げたのは、「首相が頻繁に代わるようでは長期的財政経済戦略を樹てられない」という理由であった。日本は政治は3流だが、経済は1流といわれていたが、政治に足を引っ張られて経済も3流になってしまった。

  適材適所より挙党態勢を優先したせいで、党内の各グループから満遍なく閣僚を起用した結果、初入閣した初心者閣僚が10人もいるのである。国会答弁は初経験。ボロを出すが目に見えている。早くも失言した一川防衛相を自民党では「罷免に値する」としている。他にも、マルチ商法の業界と関係の深い山岡賢次国家公安委員長やパチンコ関係業界のアドバイザーをしている中川正春文部科学相なども標的になるようだ。

  日教組の役員が、文部科学政務官と首相補佐官に起用されていることが分かった。参院議員の神本美恵子政務官と水岡俊一補佐官で、神本は福岡県教組女性部長、日教組文化部長などを歴任した筋金入りの日教組議員、水岡は元兵庫県教組書記次長。日教組のボスである輿石幹事長の人事だろうが、日教組が文教行政の本丸である文部科学省や首相官邸に乗り込んだ。

  自民党政権時代に、中曽根内閣が、後藤田正晴官房長官はじめ閣僚6ポストを、田中角栄元総理の派閥から起用し「田中曽根内閣」と呼ばれたことがあった。
  菅政権が締め出した小沢元代表と挙党態勢をつくるため、「ノーサイド人事」を提唱する野田政権は、小沢に近い、輿石幹事長をはじめ、小沢グループから、閣僚や副大臣、政務官、党役員や衆参委員長を大量に起用しているのは、「小野田内閣」と言えるのかも知れない。

  岡田前幹事長が衆院予算委筆頭理事に就任する。与党幹事長をした大物が辞めたばかりで、予算委筆頭理事になるのは珍しいことだ。事実上、衆院の筆頭理事が野田内閣の予算を仕切ることになる。岡田は野田から官房長官や財務相への就任を打算されたが、固辞した。鳩山や菅とともに最高顧問となった。「一年くらい休みたい」というのだが、58歳の岡田は、来年9月の代表選を期しているようだ。

  誰の差し金か、小沢に近い田中真紀子元外相が衆院外務委員長に就任するのは、外務省にとっては驚愕的出来事だ。田中は田中角栄元総理の長女である。自民党政権時代の小泉内閣で外相になったが、外務省を「伏魔殿」と呼んで外務官僚と激しく対立した。小泉首相の更迭された後も、外務省批判を繰り返している。

  代表選に3連敗した小沢元代表は、求心力を失って落日と言われているが、そうではないようだ。傘下のグループを統合して再起を期している。政治資金規正法違反で起訴されている秘書3人の判決が26日に下されるが、無罪になるともいわれている。小沢の強制起訴も10月から公判が始まるが、無罪になる公算が大だといわれる。69歳の小沢だが、77歳で宰相の返り咲いた英国のチャーチル首相に負けじと意気軒昂だ。無罪になれば、来年9月の代表選に最後の挑戦をする。小沢が元気なうちは抗争はなくならないようだ。