世論調査は7割が、菅首相の表明する「脱原発」に賛成している。菅内閣の支持率は最低の17%に落込んだが、「脱原発解散」はあるのだろうか。

  共同通信が23、24両日に行なった全国世論調査によると、内閣支持率は17.1と6月末の調査より6.1%下落し、菅内閣発足以来の最低となり、不支持率は70.6%と7割を超えた。支持しない理由は「首相に指導力がない」が35.7%、「首相を信頼できない」が18.1%と、5割以上が菅首相の無能さを理由にしている。

  政党支持率も民主党が大きく7.2%下落して14.7%まで落ち込んだ。反対に自民党が3.1%上昇して25.9%になった。他は、みんなの党6.6%、公明党3.8%、共産党3.0%、社民党1.9%、たちあがれ日本1.4%、国民新党0.4%、新党改革0.2、新党日本0.1%の順だった。「支持政党なし」が40.9%と1.8%増えた。

  菅首相の表明している、「原発依存度を段階的に減らし、将来は原発ゼロにする」とする「脱原発依存」政策については、賛成31.6%、どちらかといえば賛成38.7%で賛成が7割を超えて、反対の24.7%を大きく上回った。
  太陽光発電による電力を買い取る「再生エネルギー特措法」に、どちらかと言えば賛成を含めて78.2%が賛成している。
  玄海原発など原発再稼動の定期検査に「アクセステスト」を加えたことにも58.5%が賛成している。菅首相の「脱原発」政策には国民大方が賛成を表明している。

  菅首相の退陣については、「今すぐ辞めるべきだ」が26.6%(前回30.5%)、「8月末の国会閉会で辞めるべきだ」が40.3%(同37.1%)、「年内に辞めるべきだ」14.0%(同10.3%)と大勢が菅首相に退陣を迫っている。
  「後継の民主党代表で次期政権の首相には誰がふさわしいか」では、前原前外相がトップの21.2%、岡田幹事長15.8%、枝野官房長官15.6%で、他の3%台以下を大きく引き離している。
  ポスト菅の次期政権については、民主と自民による大連立が30.7%、野党が政策ごとに連携するパーシャル連合が51.7%と連立を好ましいとするものが8割を超え、民主党の単独政権とする7.0%を大きく引き離している。

  菅首相が「脱原発解散」に打って出るという観測がある。内閣支持率や政党支持率からは民主党の大敗が見えている。常識では菅首相による解散総選挙はあり得ないことだが、自民党が大勝した小泉元首相の「郵政選挙」を引き合いに出して、「脱原発」を問う国民投票的総選挙なら民主党の大勝もとする見方もある。
  
  いまや永田町では「与野党共闘」の「菅降ろし」である。一方、菅首相は意気軒昂で、23日には都内で開かれた山口県立宇部高校の同窓会で挨拶、サッカー女子ワールドカップで優勝した日本代表に触れ、「なでしこジャパンに負けず、得点されても逆転するために頑張り抜く」と述べ、政権運営に強い意欲を示している。いまや四面楚歌になった菅首相の見る夢は、小泉元首相の栄光なのかも知れない。

  他に 「社会保障と税の一元化」で消費税を10%に引き上げる政府与党の政策については、賛成45.0%、反対52.2%で賛否が相半ばしている。
  子ども手当ての見直しで「所得制限」を導入する野党の主張については、どちらかと言えば賛成を含めて76.9%が賛成している。