巷では、菅首相は「脱原発」を国民に問うため、衆院を解散・総選挙するといわれているが、海江田経済産業相が、佐賀県を訪れ、停止中の玄海原原発の再稼動を求めているのと矛盾しないのであろうか。菅内閣のやっていることは、理解に苦しむのだが。

  菅首相が解散総選挙を狙っていることは、いまや四面楚歌の首相の唯一の味方であり、改造内閣で首相補佐官に就任した国民新党の亀井代表が明らかにしたことで広がったが、28日の民主党両院議員総会で、菅首相が次期国政選挙の最大の争点がエネルギー政策であること挙げたことから、首相自ら衆院解散を認めたものとして自民、公明両党が反発し、さらに疑心暗鬼が広がっているのである。

  国会の会期を8月31日まで70日間も延長したのも、両院総会で退陣時期の「一定のめど」として、第二次補正予算、公債特例法案、再生可能エネルギー法案の成立を上げたのも、しなくてもいい自民党議員を引き抜いて自民党を怒らしたのも、わざわざ補正予算と2法案が成立しないように仕掛けて、不成立を理由に会期内の退陣を拒み、臨時国会を自分の手で開き、また「脱原発」を掲げた解散総選挙を打ち上げるのではないかと見られているのだ。

  そのための仕掛けが、昭和20年に広島と長崎に原爆が投下された8月6日と9日の祈念式典で、「脱原発」宣言を行なって衆院を解散し、国民の原発是か否を問う国民投票的な総選挙を行なうというのである。
  「脱原発解散」の総選挙で民主党が勝てば、「郵政解散」の総選挙で大勝した小泉元首相のように長期政権をつかめるかも知れないと夢を見ているのではないのか。

  海江田経済産業相が原発再稼動を促して地方行脚を始めたのは、現在、全国に54基ある原発のうち35基が定期点検のために運転停止しているが、福島第一原発事故後、原発のある地元自治体が再稼動を認めていないからだ。
  一方、菅首相は独断で東海地方の浜岡原発の運転停止を中部電力に要請した。人気取りのパフォーマンスであったが、世論調査では唯一評価が高いのだ。菅首相が成立に意欲を見せる再生可能エネルギー法案も脱原発の第一歩であるのだ。
  
  経済界は電力不足を心配しており、海江田氏の立場も財界の意向に従ったものだが、菅内閣が脱原発に踏み切るとすれば、海江田氏の動きは閣内不統一ということになるのだが。