菅首相の退陣時期をめぐる民主党内の泥仕合は、小細工を弄した菅首相が自ら墓穴を掘り、早期退陣で決着がつきそうだ。ポスト菅の政局では、民主党と自民党の大連立がにわかに浮上しているが、そう簡単に問屋が卸すものだろうか。
  
  民主党の岡田幹事長と自民党の石原幹事長がNHKの番組で、菅首相が退陣後の政権について、民主、自民両党の大連立について前向きな姿勢を示したためだ。
  民主党内の状況は、菅首相が内閣不信任案が否決された後、辞任を否認したため、菅退陣の火付け役をした鳩山前首相が激怒して、菅首相を「ペテン師」と呼び、「六月退陣」を目指して「菅降ろし」を進めているが、岡田幹事長や枝野官房長ら閣僚も早期退陣論へ方向転換している中で、ポスト菅の政権について、大連立論が飛び出した。
  
  もともと、震災対応を加速させるために、期限付き大連立論が、与野党でくすぶっており、水面下で民主党の仙谷官房副長官と自民党の大島副総裁が接触を続けているが、大連立の障害になっていた菅首相の退陣論が浮上してから両氏が会談している。
  そもそも第二次補正予算を辞める首相が編成するのはおかしな話であり、自民党としては巨額な規模になる予算に参画したいのが大連立を進める意味でもある。
  「期限付き大連立」ということでは民主、自民両党とも一致しており、「ねじれ」で停滞している国会を、一定の期間、大連立により震災や原発事故を処理した後で解散・総選挙をするというのだ。
  
  岡田幹事長は「後継首班は民主党から」と主張しているから、早速、マスコミではポスト菅が取り沙汰されているが、民主党内を見渡したところ、野党にも信頼さるような適任者がいるのだろうか。大連立には民主と自民だけでなく、公明や社民、国民新など、共産党を除く各党も参加するのではないだろうか。そうすると、大連立論者である石原東京都知事の言うように、国民新党の亀井静香代表が適任者とする意見もある。
  大連立については、世論調査でも、首相退陣後の望ましい政権として、「民主と自民の大連立」とするのは朝日新聞53%、毎日新聞36%だが、いずれも、「民主中心」や「自民中心」よりも多いのである。

  それにしても、自公など野党の提出した内閣不信任案については、「評価しない」、「適当でない」とする回答が60%以上を占め、震災復旧、復興や原発事故の非常事態に国会が「機能していない」、「役割を果たしていない」とする回答が朝日78%、毎日85%に達しているのは、政局に対する世論の厳しい見方であるが、大連立で国会運営がスムーズに行けば国会の評価も上がるのではないか。