ベネズエラのマドゥロ大統領が米国に拘束・連行された後,昨年12月にノーベル平和賞を受賞したベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏は,5日に放送されたアメリカのFOXニュースのインタビューで,「まず第一に私はできるだけ早くベネズエラに戻るつもりです。1月3日は正義が独裁政治に打ち勝った日として歴史に刻まれるでしょう。これは画期的な出来事です」などと述べ,トランプ大統領の「麻薬テロ政権」に対する「法を順守する毅然とした態度と決意」を「歴史的な行動」と評価した。
一方,トランプ大統領は,マチャド氏を,「ベネズエラを率いるだけの国内での支持や敬意が得られていない」と,ベネズエラの指導者としては疑問視しており,「米国がベネズエラを運営する」と繰り返し主張している。
米国シンクタンク関係者は,「マチャド氏はXに,『安全保障,エネルギー,民主主義,人権問題で,ベネズエラはアメリカの主要な同盟国になるだろう』,『ベネズエラの自由は目前に迫っており,まもなく祖国で祝うことになる』と投稿しており,マチャド氏がトランプ大統領との対話を実現させることで,早期にベネズエラへの帰国を果たそうとしている。しかし,トランプ政権は,拘束したマドゥロ大統領の盟友でもあるロドリゲス暫定大統領と既に協力関係を結び,世界一の埋蔵量であるベネズエラの石油利権を,アメリカが完全に掌握する見通しとなっている。アメリカにとってディールが有利に展開する状況下にあっては,トランプ政権がマチャド氏を大統領に就任させるようなドラマティックな展開はないだろう。むしら,マチャド氏のような民主活動家は,トランプ大統領の苦手な存在のようにも思える。マチャド氏の大統領就任の可能性は,次期大統領選まで持ち越されることになるのではないか」と,マチャド氏の大統領就任の可能性について言及する。
5日,国連の安全保障理事会は,米国によるベネズエラ攻撃を協議する緊急会合を開催した。同会合では,米国とベネズエラによる非難の応酬となり,米国のウォルツ国連大使がマドゥロ大統領について「彼は非合法な大統領で,正統な国家元首ではなかった。だからこそ,この残虐な政権から逃れてきた何百万ものベネズエラ人が世界中で歓声を上げている」と述べ,攻撃を正当化した。
これに対して,ベネズエラのモンカダ国連大使は,攻撃が「国連憲章の明白な違反だ」としてマドゥロ氏と夫人を直ちに帰国させるよう要求した上で,「危機に瀕しているのはベネズエラの主権だけではない。国際法の信頼性や国連の権威もだ」と世界に向けて訴えた。
これまで国連で戦争や紛争が議論される度に,今の国連の役割,存在価値に疑問を持ち,早期の国連改革の必要性を痛感させられる。