3S総研 (6) 商品開発研究 ⑤
一般的損害率と実体損害率の誤差に着目し、なおかつ事務システムコストを最大限切り詰めるとすれば、保険料率はどの程度引き下げが可能でしょうか?それを経営リスクと消費者リスクに完全転化して(完全自由化)保険料率を算出し、当局の認可を得られるとすれば、保険料率(掛け金)は一変してしまいます。これが、これまでの無認可、認可の共済制度でした。そこには金融業としての安定性や公的なーフテイネットが有りません。一定のマーケットにおける実体的損害率データと事務コストのデータもこの分野には存在しています。都合によっては、生損保の垣根を超えて一つの商品として効率的販売も可能です。少額短期保険業法の施行により、無認可の共済が少額短期保険に移行する過程で、可能となったニュービジネスがそこにありました。生活総合保険「プレミアムエイジ」は、従来の医療保険と火災保険 、個人の日常生活に伴う法律上の賠償責任保険を三つ(セットにして)認可取得した画期的な保険です。個人の日常生活上必要最小限の実体リスクに絞り込み、最大の事務効率を追求した結果、はじき出された保険料(掛金)は、従来の保険料率と比べて純率(支払い予定率)で平均値の約15%、付加率(経費率)でも約15%の減額が可能と計算できたのです。合計で約30%の料率の低減は、予定保険金額の火災保険と個人賠償保険の年間保険料を吸収することが可能となります。また、平均値としてのバファーにおいて、生命保険の年齢格差や男女の平均余命格差さえ吸収が可能になり、はては火災保険における面倒な建物構造による損害リスク格差や物件所在地による損害リスク格差も吸収できるのです。こうやって出来上がった商品が、生活総合保険「プレミアムエイジ」です。この保険では、一般の医療保険の贅肉を徹底的に排除し、掛金の年齢格差を5歳刻みとして、男女料率格差を取っ払てしまった従来の保険人からすれば考えられない暴挙といえるでしょう。加えて損保分野の住宅建物の火災保険から生活動産(家財)と個人の日常生活に起因する損害賠償リスク(例えば、自転車による他人の財物損傷やゴルフ中の他人への賠償事故)も担保し、この分の保険料(掛金)を一般の医療保険料率で吸収してしまうがごとき保険料構成を可能としたものです。自由化された全ての法律上の特典を駆使して開発、認可を得た画期的商品と豪語する所以であり、常識を超えた不安感は拭えませんが、あの?金融庁から認可を得ている強いエビデンスを保有しているのです。保険という商品は、難しくて比較が困難なものですし、面倒な事にその比較広告が何故か禁止されています。一般顧客にとって難しすぎる特約や、公平性の原則からリスクをあまりにも細分化する事などによって、膨大な約款を構成してしまう事となり、顧客に真の説明が十分に出来ない事態がそこに存在しているのです。そしてその結果、保険業法における最大のコンプライアンス問題が、業界の自己矛盾として存在すると考えた結果と解決策こそが、商品開発研究における課題であると考えた所以です。コンプライアンス対応型保険会社と保険商品は、無認可の共済と生協で販売される制度共済の中にこそ、その解決ヒントがありました。そして、まだ沢山の解決すべき課題もあります。保険事業に関わる膨大な事務コストの削減、その為の保険システムの開発(完成)・・・商品の簡素化と事務システムの簡素化、管理コストの最小化などを保険業界の現代的諸問題と認識し、この問題は認可共済事業領域においても焦眉の急との判断に至りました。では引き続き、保険共済事業における「事務システム」の研究開発への解決視点に対する方向性を考えてみましょう・・・