- 直観でわかる数学/畑村 洋太郎
- ¥1,995
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新年一発目の本のレビューは畑村洋太郎先生の「直感で分かる数学」。
畑村先生は、「失敗学の研究」で有名な、東京大学の名誉教授。
「失敗学の研究」は是非とも読んで欲しい本なので、別の機会にレビューに書きます。。
高校で学ぶ数学から、数学アレルギーを感じる人は非常に多いと思う。
この本は、そういった人に読んで欲しい本である。
私も高校時代、2年生まで理系クラスにいたのだが、数学の先生の説明が非常に”はっしょった”感じがしていつも不満を感じていた。
結果、高校3年次に文系クラスに泣く泣く転科して、1年間で世界史を丸暗記するという苦行を進むことになった。
虚数にしても、微積にしてもこれを解けることによってどういったメリットがあるのかを、高校の先生の説明を聞いていて全く理解できなかったのを覚えている。
畑村先生は、工学の先生として数学を実学として説き直そうと挑戦されたのが、本書である。
本書では、微積・三角関数・虚数・指数関数、対数関数などをいかに数学的な素養の無い人間に伝えるかという苦しみが見え隠れする。
私に関して言うと、虚数の説明が刺さった。虚数という空想上の数を作り出して理由が30にして分かった気がする。
畑村先生の専門とする失敗学は、何故失敗したのかを検証し、後々に使えるように形式化するという試みである。私の専門とするITの世界においても失敗学の導入がずっと言われている。
学問の世界には、分かる人間と分からない(まだ分からない)人間の間に強烈な溝が存在している。
一度越えてしまえば取るに足りないし、越え方すら忘れてしまうのだが、越えられない人間からしたらその深さをうかがい知ることもできない。
一度越えた側の畑村先生が、もう一度その溝を覗くとそこには死屍累々とした世界が広がっていた。。。
そして敢えて、その死屍累々たる我々に雲の糸を垂らすそういった本になっているのではないだろうか。
確かに、もっと説明して欲しいという感じは残るし、越えた側の人間からしたらとるに足らない本かも知れないが、福音は全ての人に開かれる必要があるのだ。
ちなみに、中学の数学でコケタ方は、「続直感でわかる数学」をお勧めする。

