まだ私が幼児で、父が無給時代のころ、
6人家族の我が家は新しいものを買うなど滅多にない
・・・なんて生活をしていた。
そういう中、七夕を前にしたある日、母が笹の葉を買ってきた。
そして私と弟に七夕飾りをしなさいと。
もちろん、七夕がなんたるかも知らない私。
珍しいこと、珍しいものに少々驚きつつも、弟と飾り始めた。
しかし飾るには葉が邪魔で仕方ない。
思い立った私は全ての葉を切り落とした。
弟もそれに従った。
硬い枝のみ残った笹・・・
まるでフックの多いコートかけのような哀れな姿
もはや「笹の葉さぁ~らさら♪」とは歌えないしろものに。
とうぜん母は激怒、夕食まで戸の外で反省しろと。
七夕の意味も、笹の葉と飾りが風にゆらめく風情も知らない私、
自分としては飾りやすさを考えただけのこと
なんであんなに怒るのか・・・納得いかぬまま空を眺めていた。
「良かれと思ってしたことが裏目に出る」
そんな失敗はあまたあれど、その第一号がこの七夕に。
この季節、街なかで七夕飾りが風に優雅に揺れるのを
目にするたびに、苦笑いで通り過ぎる私です。
あちこちで揺れる短冊にこめられた願いが届いて
かなえられるといいですね。
大村より