ヨード制限を厳密にすると食べるもの無くなる
結婚1年
30代前半の女医
不妊治療を受けるにあたり
普段知らない事を勉強してまとめるため
治療の経過をまとめるため
ブログにしています
ごゆっくり
先日妊娠とアイソトープの話を書いてから、まとめたいと思っていた内容です。
甲状腺機能亢進症、低下症では、ヨード(ヨウ素)が関連してきます。
というのも、甲状腺ホルモンの材料の一つにヨードがあります。
ヨードを投与すると甲状腺機能が低下するらしい、というのは昔からわかっていたものの、なぜかは明言されておらず
私がバセドウ病になった時も最初使ったけどあまりメインではなく。
ヨウ化カリウムは副作用が無く、かつ即効性があるので初期に使われることが多いのですが、ずっと使っていると効果が無くなってしまう"エスケープ"が起こると説明されていました。
なぜ効くかと言う事に関しては実はハッキリされていなかったのですが
2022年12月に順天堂大学医学部のグループが発表していたんですね。知らなかった。
めちゃくちゃザックリ
→ヨードがあると甲状腺からFT4(甲状腺ホルモン)の放出が抑えられる。
軽症ではヨウ素だけでコントロールすることも可能らしく、妊娠中は必要な甲状腺ホルモン量が増える事から、ヨウ素だけで見る人もいるみたいですね。
私もそうなりたいものです。
(今のところプロピオチオウラシル使うと言われています)
さて、バセドウ病治療ガイドライン2019には、抗甲状腺薬を使っている人にヨード制限は奨励しない寄りの事が書いているのですが、
私は今ヨード制限中です。
一昨年、長年5mgでコントロール出来ていたバセドウ病が突然暴れ始めたからです。
おそらくきっかけはコロナ感染と思われます。
コロナ対応をしていたのですがクラスターに巻き込まれ感染。
コロナ自体は軽く済んだのですが、感染後2ヶ月後に突然全ての数値が跳ね上がりました。
これは話が長くなるので、また別記事に。
基本的に日本のようなヨード摂取が元々多い国では、ヨードによる無痛性甲状腺炎やヨード誘発性機能亢進症は起こりにくいのは周知の事実なのです。
(元々少ない人達が、一気にたくさん接種すると機能が亢進する)
私のようになかなか落ち着かない場合、制限してみる事も一つの手のようで、主治医に指示されました。
(ここらへんの匙加減を知る論文は見つけられませんでした。事実として取りすぎるとヨード過剰甲状腺機能亢進になるよっていうのは古いけど下の1993年の総説にもありました)
いや…あの、わたし…ハマっていた食べ物が昆布でして。
何にでもとろろ昆布かけるし(病院食堂でうどんにマイとろろ昆布(持参)をオン)
都こんぶや梅昆布がおやつだし、
昆布出汁を愛し、出汁をとった後の昆布もおやつにするという
いや本当反省してるんですけど、医者のくせにって感じなんですけど…
ブライダルフォトに向けてのダイエットもしていまして、はい…
カルテに
『好きな食べ物は昆布、過剰に摂取していた』
『昆布過剰により、コロナ感染での再燃以降のコントロールが困難になったと思われる』
と書かれていた。
恥ずかしすぎる。
よく考えたら、最初のバセドウ発症の時は一人暮らし初心者で、とろろ昆布とかそんなに使わずににいた気がします。
なので、ヨード制限をしっかり1ヶ月行ったところ、悪化にブレーキがかかったので、制限継続になりました。
どれほどのヨードが食品に含まれているかというと
伊藤病院さんのホームページを参照。
昆布がダントツですね。
反省します。
ちなみに、イソジンうがい薬にもヨードが入っており、使いすぎはヨード過剰に繋がります。
イソジンのスッキリ感が好きな人もいますし、なんか何処かの知事が見切り発車でイソジンはコロナに効くとか言うたりしていましあが、私はイソジンうがい液はもう処方はしていません。
あれにはアルコールが入っており、口腔内粘膜の障害や乾燥を起こす一因になるのです。
傷や手術前の消毒にはポピドンヨードはとても良いのですが、うがいに関してはハチアズレやアズノールを処方する事がほとんどです。
こんな記事も↓
なかなか面白い記事でした。
話を戻して
ヨード制限、
他のものも含めてかなり厳密に制限をしていたので、外食はほぼできず。
昼は、海苔のないおにぎり➕昆布だしのない味噌玉を作って持参。かなりつらかった。
ドレッシングにも昆布が入ってることが多いので、避けて。
加工肉の増粘多糖類がヨードが入っていると書いてあるのでサンドイッチも避けて。
鰹節は悩みましたが、生カツオがヨード多いと書いてあったので最初は避けていて、干し椎茸やあごだしを使いました。
この時に探したあごだしは今も愛用しています。
あご100%!美味しいです。
ここに干し椎茸や鰹節や気分によってグルタミン酸を今は加えています。
昆布の入っていない物って結構ないですよね…
外食で大丈夫そうなのがマクドナルドやミスタードーナツくらいだった。
家では、最初は伊藤病院さんのレシピを参考にして、慣れてきたら意識しながら作っていました。
ここは有名な甲状腺の病院ですが、こうやってレシピも販売してたりネットに載せていて、すごいなぁと思います。
どこまで何を使って良いのか、具体例がないとひたすらチキンのトマト煮込みになるところでした。
…厳密な生活3ヶ月。
数値も低下傾向になり。
魚くらいは食べたいなと主治医に言ったところ、
『そこまで厳密じゃなくてよかったのに』
と言われて白目剥いたのはすでに懐かしいお話。
昆布がとにかくすごくて、さっと水に潜らせただけでもかなり出るから、昆布だけやめてくれと言われました。
本当にすみませんでした。
本当に反省します。
その後さらに落ち着きつつあるので、1週間に1回の昆布出汁だけ許可をもらい、昆布出汁と昆布だけ制限のマイルドヨード制限を続けています。
本当は、めっちゃくちゃとろろ昆布が食べたいです。
ちなみに、以前は必須と言われていたアイソトープ前のヨード制限ですが、制限してもしなくても結果は変わらなかったという報告があります。
またまた順天堂。すごいなぁ。
し、か、し!
もし主治医にヨード制限を言われた場合は、従ってくださいね◎
医療者側は指示している内容を患者さん側が守っている前提で次の手や今の状態を考えるので、その前提が崩れると結構こまってしまうのです。
しかしまぁ、時代は変わって行くんだなぁ。