100人に1人とも言われるメジャーな病気

結婚1年
30代前半の女医
不妊治療を受けるにあたり
普段知らない事を勉強してまとめるため
治療の経過をまとめるため
ブログにしています
ごゆっくり

やはり専門学会のホームページはわかりやすくできている。



バセドウ病とは

甲状腺を攻撃してしまう自己抗体(TRAb)が作られてしまい、その抗体が甲状腺を刺激する事で

甲状腺機能亢進症状がでます。

具体的には、脈が速くなり、血圧が上がり、汗が出て、痩せます。手がが震えたり。

常に体の代謝のアクセルを踏んでいる状態ですね。


自己抗体が目の周りの筋肉へ作用することで、バセドウ眼症を起こすこともあります。

脈の異常から心不全になったり、不整脈のせいで血栓が出来て脳梗塞になることもあります。


実際にそのような症例を目にしたことがあります。とても怖い。


治療は

  1. 内服(メルカゾール、プロピオチオウラシル、ヨード)
  2. 甲状腺摘出手術
  3. アイソトープ(アメリカでは第一選択)


甲状腺機能が落ち着いていれば、妊娠、出産には問題のない病気です。

詳しいことは上記の日本甲状腺学会のホームページがわかりやすいです。


去年知り合いの糖尿病内科の先生に勧められて、アイソトープを考えていたのですが、結局主治医にも相談して辞めました。


甲状腺は、ヨウ素(ヨード)を取り込みホルモンを作ります。

アイソトープとは、放射性物質を組み込んだヨウ素を体にいれ→そのヨウ素は甲状腺に届き→そこで内側から甲状腺を壊す

ことで機能亢進を治します。


手術の必要もないし、治療自体は1日で終わる、とてもいい方法ですが

妊娠を考えている場合にはお勧めされません。

というのも、甲状腺が落ち着くまで時間がかかりますし、

TRAbが低下するまでの期間が手術と比較すると1~2年長い傾向がある

ということがわかっています。


上のリンクを私なりの言葉に治すと

TRAbが高い状態で妊娠すると、胎盤を通して胎児が甲状腺機能亢進状態になります。

アイソトープをして母体の甲状腺は破壊され母体の甲状腺ホルモン値は落ち着いている

のに、胎児は甲状腺機能が亢進している。


というギャップがあると、とても管理が難しくなるのです。

なので、母体と胎児の状態がリンクして、同じように治療出来るのが良いのです。


(勧めてくれた糖尿病内科の先生は妊娠の可能性など考えていなかった模様)


薬としてはメルカゾールが基本ですが、メルカゾールは妊娠12週までの妊娠初期に飲んでいると、頭皮欠損や臍の異常が飲んでいない人よりも多いという報告があります。



妊娠中は甲状腺が落ち着く事も多いため、辞めれる人は一時期休薬する。

妊娠中は必要な甲状腺ホルモンが増える事がわかっており、ヨードだけで治療したり、内服が必要は人はプロピオチオウラシルという別の薬を飲んだらします。


参考

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaesjsts/35/4/35_268/_pdf/-char/en


ならば最初からプロピオチオウラシル(プロパジール)が良いじゃないかとなるのですが、胎児には良いというだけで、プロピオチオウラシルもなかなか副作用が多いお薬です。

長期投与でリンパ腫だったり。


私も妊娠が判明した瞬間にメルカゾールを休薬する事が決まっています。

ここ数ヶ月、ヨード制限をしてから突然コントロールが良くなってきたので、メルカゾールを10mgから5mgに減らせそう。

このままこちらも落ち着いていて欲しい。



内分泌専門とはいっても、妊娠関連は詳しくない医者って結構いるんだなぁと思ったり。

まぁ私もそうですね…