1970年から2017年の間に発表された関連論文についてをまとめたもの。
性腺機能低下症および勃起不全
アメリカンフットボールなど頭部外傷の発生率が高いスポーツと関連する可能性あり。
スポーツサイクリングに限定されるが自転車も関連あり。
精索静脈瘤
フットボール、バスケットボール、ハンドボール、バレーボールで有病率および重症度の上昇と関連する。
精子形成を損なう可能性のある精巣の高温と関連
サウナ、温水浴槽、ジャグジー、ヒーター付きカーシート、ノートパソコンの膝上での使用。
一方、2022年に出た、
過度の運動は視床下部-下垂体関連の機能の低下、酸化ストレスの増加、慢性炎症のために男性不妊を引き起こす可能性があり、テストステロンの分泌量が低下し、精液の質が低下し、不妊症につながる可能性がある。
一方、肥満や糖尿病などの生活習慣病が原因となっていると考えられる不妊症において、運動が男性ホルモンの状態を改善することが明らかにされている。
→体の接触が少ないスポーツを適度に、生活習慣病にならない程度にするのが1番良いのでは?
アルコールと不妊についての論文二つ
こちらでは妊娠のしやすさについては量と関連なしと。
→しかしこれはデンマーク人での報告で、アジア人ではどうなのか?
(一般的にですが、人種によって薬の効き方や副作用の量はかなり異なります!欧米人とアジア人では代謝が違うんですよね…)
ということで、精液初見とアルコールの関連をみた報告
東アジア人男性におけるALDH2発現、アルコール摂取量と精液検査所見
この論文ではアルコールを分解された時にできるアルデヒド(2日酔いの原因になる)を更に分解する酵素について、元々の野生型と変異した亜型(ALDH2*2)とを比較して、精液初見をみています。
対象となった112人中45人(40.2%)が亜型で、アルデヒド代謝が低下する遺伝子を持っていた。
アルコール摂取量や性生活の習慣は野生型と亜型で違いはなかった。
アルデヒド代謝が低下している亜型の人(ALDH2*2キャリア)では、アルコール摂取があると精子運動率および精子前進運動率が有意に低下していた。
アルコール摂取者の中でも比較してみると、ALDH2*2キャリアでは野生型(活性型)と比較して、精子運動率、精子前進運動率および総運動精子数が有意に低下していた。
アルコール摂取量との関連では、ALDH2*2キャリアでは1ヶ月間に3から5杯以上のアルコール摂取をしていると、精子運動率は有意に悪化していた。
(野生型(活性型)では月に6杯以上のアルコールを飲んでも影響はなかった)
→つまり、ALDH2*2キャリアではアルコール摂取をすると、精子運動率、精子前進運動率、総運動精子数が有意に低下する。
ALDH2の遺伝子亜型と禁酒カウンセリングを組み合わせることで、東アジア系の男性の精液所見を改善できる可能性がある。
感想
アルコールを飲んで赤くなる人は野生型ではなく亜型の可能性が高いので、赤くなる人は飲まない方がいいな。
配偶者も赤くなる人なんで、アルコール辞めれない?と言ってみたんですけど、なまじ男性不妊外来で『まぁこれくらいなら体外とかなら行けるっしょ』と言われてしまったが最後。
お酒は良くないんだって、と言っても『大丈夫って言われたから』と辞めてくれる気配はない。
週3でお酒飲んでる…これ以上は減らせないって。
私が悩んでてしんどいのも分かっていて、協力的でもお酒は辞められないらしい。
私もお酒は好きだけど、妊活はじめてからはほぼ、飲んでいないのですけどね。
どんなに良い人でも、当事者意識は男女で違うのかな〜…
それか、子供いないならいないで良いと思ってるからかなぁ
しかも、配偶者はサウナが趣味でして…コロナ流行を期に辞めたけど、今更感はある。
世の中のサウナ好きの若人よ。
何のためにソレはお外でぶら下がってると思ってるんだ?
体温でもやられるからだぞ!
少しでも冷やすためだぞ!