不妊症の原因
不妊の原因は、男性側、女性側、あるいはその両方にある場合がありますが、何も原因がない場合もあります。
1986年にScienceに発表されていて、引用数も多い論文からは
挙児を希望するカップルの10~15%が不妊。
女性の加齢と不妊は密接に関係する。
不妊の割合は20歳代前半までは5%以下であるが、20歳代後半より9%前後の不妊率になり、30歳代前半で15%、30歳代後半で30%、40歳以降では約64%が自然妊娠の望みがなくなると推定されている。
Manken J, Trussell J, Larsen U: Age and infertility. Science 1986: 233: 1389-1394
Scienceアカウントないと見れないかも。
不妊症の原因として、約20%が男性が原因の不妊と、昔勉強した記憶がありましたが、その意味を勘違いしていたみたいです。
WHOの不妊症原因調査(1996年)では,男性のみ24%,女性のみ41%,男女とも24%,原因不明11%と報告されている。
→男性が関連するのは45%、女性が関連するよは65%。
私の配偶者は積極的ですが、友人の中にはそうでもなくて困った人がちょいちょいいる…
初診の時にも、精液を持参する時とか結果説明とか、男性本人ではなく、女性側が結果を聞くのが当たり前のような流れがあって。
今でもそういう人って多いんだろうな〜と思いました。
普段、本人への病状説明が基本中の基本である!家族への説明も場合によっては本人へ了承を得るわけでして。
精液検査の結果を本人の前に知り、本人に改めて説明するのなんか違和感強いぞ。
さて、男性不妊についてもう少し詳しく。
もう少し新しい報告かつ日本での調査では、
2003年に日本受精着床学会が行なった不妊治療患者によるアンケート調査というものがありました。
これによると、男性因子33%、卵巣因子21%、卵管因子20%、子宮因子18%、免疫因子5%、その他4%。
WHOの報告よりも少し女性因子が増えますね。
男性不妊の原因
原因不明42.0%
精索静脈瘤30.2%
性機能障害(勃起不全と射精障害)13.5%
染色体・遺伝子異常4.3%
精路閉塞3.9%
薬剤性1.8%
停留精巣1.6%
低ゴナドトロピン性性腺機能低下症1.0%
その他1.7%
そして、この中で根本的な治療が可能な疾患は
精索静脈瘤
性機能障害(勃起不全と射精障害)
精路閉塞
低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
→つまり、男性不妊の原因の48.6%で根本的治療が可能なため,泌尿器科で早期診断し治療する事で母体の負担軽減にもなる。
私の通うクリニックでは泌尿器科の外来は月1-2回のみなので、他院へ紹介することも可能と言われました。
ただ、少数とはいえ精子氏に形態異常もないし、人工授精や体外受精する分にはそこまで問題にはならないかな?と言われたので、とりあえず配偶者は院内の泌尿器科に行ったわけですが。
『最短で体外受精にいくんですよね?なら別にこれくらいなら何とかなるだろうから、検査とかやる事ないかな』みたいな感じでビタミン剤だけもらって帰ってきました。
確かにそうなんですけどね、その前に出来ることがあればやってもらえると…(体外受精も結構しんどいみたいですし)
…体外に積極的とはいっても、しないで済むならしたくないのですが!
母体が頑張れば何とかなるというか、体外の方が確実だし〜みたいな所があるのかしら。
少しモヤっとしたのでした。