お久しぶりです。
随分とご無沙汰してしまいましたが、なんとか復活することが出来ました。
実は私、先月はほとんどピアノの練習が出来ないほどの、謎の激痛に見舞われていたのです。
「胸郭出口症候群」(きょうかくでぐちしょうこうぐん)
ネットでこの病名にたどり着き、初めて自分の身体にどんな異常が起きているのかを理解することができました。
最初はただの肩こりだと思っていたのです。
それがやがて左腕全体に広がり、3日後には夜も眠れないほどの激痛へと変わり、やがて私の左腕は完全に機能を停止しました。
痛みと痺れで全く動かすことが出来なくなってしまったのです。
原因は神経の圧迫で、左腕の神経や血管が骨と筋肉の間に挟まれ、それが麻痺状態をおこしていたのです。
しかもこの病に根本的な治療法はなく、余程酷い場合の手術以外は安静にしているしかないのだそうです。
ただ私の場合あまりにも痛みが激しいので、やむなく整形外科に行って飲み薬とシップをもらい、なんとか仕事はこなしたのですが、困ったことにピアノの練習がほとんど出来なくなっていました。
無理をして弾こうとすると左肘が骨折しそうなくらい焼けるように痛むのです。
ハノンなんか弾こうものならそれこそ地獄です。
仕方がないので最初のうちは譜読みや右手だけの練習をしていましたが、2週間経っても痛みがとれないのでリハビリも兼ね左手も使うことにしました。
本当は日常生活もままならなくてピアノどころではなかったのですが、どうしてもレッスンに行きたかったのです。
そんな中、私はひとつの幸運に恵まれました。
2月の課題曲がブルクミュラー25の練習曲集19番『アヴェ・マリア』に丁度あたっていたのです。
この練習曲集も後半になるとかなりテンポの速い曲が多くなるのですが、この『アヴェ・マリア』は和やかでゆっくりとした優しい曲だったのです。
私はこの曲に初めてふれた時、あまりにも美しい和音の響きに思わず涙ぐんでしまいました。
それは決して左腕の痛みのせいではなく、音楽の持つ「癒しの力」に感動していたのです。
この『アヴェ・マリア』というのは、聖母マリアに祈りを捧げるときに唱える文の、冒頭に出てくる言葉だそうです。
今日、東日本大震災の発生から4年がたちました。
私の左腕はたった1か月でほとんど治りましたが、被災地では4年たった今でもまだまだ先が見えないそうです。
今夜私は時間のゆるす限り、ブルクミュラーの『アヴェ・マリア』を弾き続けようと思います。
私がこの曲に癒されたのと同じように、震災で亡くなられた方のご冥福と、被災地の一日もはやい復興を願い、そして平和への祈りを込めながら‥
3.11
