救世主とナルシスト
もの置きの屋根から、廃車の屋根へカッコよく飛び下りたのはいいけれど
ここでボクは気がついたんだ。
ここから下へはどうやって降りるのさ?
(←ぷれこ)飛び下りたらいいじゃん。
そう言われても、だ。。。
ボクは慎重な猫だからさ
うーん……
ここから下まではかなり距離があるし、下はなんだか泥どろしてる
野菜にかけるビニールが置いてあって邪魔だし、ピンクの肉球も汚れそうだし……
ボクはオシャレな都会派猫だし……あっ
逡巡していると、畑のほうからやってきたのは……
クゥおばちゃん
おん年20歳4カ月。人間でいったら100歳近い。
クゥおばちゃんは、19歳半で逝った母猫トムばあちゃんの年齢を、この春超えた。
(←ボク、くまきち) クゥおばちゃん、助けてよ。降り方を教えてよ。
知ったことかい
スタスタ、スタスタ……
クゥおばちゃんはボクのほうなんか見向きもせずに歩いていく。
まーだ、ボクのことが嫌いらしい。
去年の夏はこんなだった (clickしてみて)
田舎の家に帰るのはもう10回を超えたと思うのに……。
ここで黙っていてはオトコがすたる。
そう思ったら、もう迷わなかった。
シュワッ!!
ボクは一気に飛び下りた。
待って、待って、クゥおばちゃん
クゥおばちゃんは黙ってマイペースに歩いていく。
ボクのほうなんか振り返りもせずに。
せっかくボクがカッコよく飛び下りたっていうのにさ
チラッとでも見てくれたらいいのにさ
ボクはクゥおばちゃんの後ろからついて行った。
ついて歩きながら、急に思った。
もしかして、クゥおばちゃんはボクを助けにきてくれたのかな?
クゥおばちゃんはそっけないけど、
実はボクのことがかわいいんだ。
きっとそうだ。
あ…あいかわらずおめでたいね、くまきちは。
続く








