目覚め
クゥおばちゃんとボクの距離は、帰省10回を経てもいっこうに縮まらない。
クゥおばちゃんはボクのことが好きじゃない。
いや、恥ずかしいだけかもしれないんだ。
ずーっと母猫トムばあちゃんに守られて、
17年半もの間、深窓のご令嬢できたんだからさ。
だけどね
トムばあちゃんを亡くしたショックが癒えた夏のころから
クゥおばちゃんに少しずつ変化が見え始めていたんだ。
ボクは見逃さなかった。
たとえば、トイレでも……
ホント、くまきちってイヤなコね
トム母さんが「こいつはストーカーだ」って言ってた
のはホントだわボクは早くクゥおばちゃんと仲良くなりたくて、田舎に帰るといつも
クゥおばちゃんが行くところ、行くところ、ついて回る。
ストーカーなんて言われたってかまわないさ
近付かなければ何も始まらないだろ
だけど、クゥおばちゃんはなかなか警戒心をとかなくて
ボクが近くにいると、トイレが終わってからも出てくることができない。
トイレのなかに座り込み、そのまま動けなくなっちゃうんだ。
あんたがどけば、出てけるのっ![]()
ボクはけっこう気の長いオトコだから、クゥおばちゃんがトイレに座り込んだら
ボクも座り込んで、いっしょに待機する。
クゥおばちゃんの行くところ、行くところに着いていきたいから
ちょっとくらい待つなんて、なんてことないのさ。
クゥおばちゃんはどうにもこうにも動けなくなって
ニャーニャー鳴いて助けを呼ぶ。
そこで、ぷれこが仕方なくトイレからクゥおばちゃんを抱き上げて救出する。
クゥおばちゃんはボクの頭の上を通りすぎて部屋へ戻る。
そんなことが何度か繰り返されていたんだ。
ところが、この日のクゥおばちゃんはちょっと違った。
ボクがよそ見をしたすきに……
立ち上がって……。
それは一瞬のことだった。
結局、このあとまた、ぷれこに救出されたクゥおばちゃんだったけど
この日を最後に、クゥおばちゃんはボクが目の前にいても
ボクの横をすり抜けて、トイレから出てくるようになったんだ。
もう、ぷれこの助けなんかいらない。
トムばぁちゃんがいなくたって怖くない。
クゥおばちゃんは、この日から自立に目覚めた。
クゥおばちゃんは、この春で満20歳
人間でいえば90歳越えだ
そんな年になっても、変わろうと思えば変われるんだね。
去年の夏の間は、ボクが家にいるのがイヤで
1日のほとんどをお外で過ごしたクゥおばちゃん。
一度は家出騒ぎを起こして、
ぷれこやぷれこ母、そしてブログを読んでくれたみんなを心配させたクゥおばちゃんだったけど
この冬は、一度も家出することなく
自分の部屋で、自分の猫ベッドでくつろいでいた。
ボクがすぐ近くの椅子の上でお昼寝していても
姪っこにあやされて、コロコロ遊んでいても
クゥおばちゃんは動じることなく、落ち着いていたよ。
クゥおばちゃんが警戒モードでさえなければ
ボクも落ち着いていられる。
ボクらは、ぷれこたちがお出かけしているときでも
同じ部屋で過ごすことが多くなった。
この冬、ボクとクゥおばちゃんの間にはちょうどいい距離ができた。
PS
これまでのボクとクゥおばちゃんの距離をおさらいしてみると
2006夏 夏の思い出 くまきちvsトムばあちゃん総まとめ(クゥおばちゃんもちょっと出てます)
2009年夏 クゥの憂鬱 (実は、今日の記事はこの続きです・笑)
一進一退って感じかなぁ













