人は成長していく過程で、壁にぶつかったり、
勝負に敗れたり、不本意ながらミスを犯してしまうこともある。

そんな時、誰の言葉が一番、心に響くのだろうか。
誰の行動が最も、心を揺さぶるのだろうか。
それは『仲間』信頼できる、信じ切れる仲間。

私は年初に起きてしまった当社のミスについて、
代表として、お客様の各方面へ頭を下げてお詫びした。

当然ながら現場の責任もあったにもかかわらず、
格好を付けて、全て私の責任として呑み込んだ。
それなのに数か月経っても、未だに消化できていない。

最近、3年前に書いた自分のコーチ日記を読み返した。

『仲間だからこそ、お互いの腹を割り、
信頼して本音をぶつけて、本心を理解し合うんだ。
心のない優しいだけの言葉では、夢に到達できないんだよ。

悔しくて、情けなくて、辛くて、苦しくて、
嬉しくて、楽しくて、涙して、そんな思いを共有できるのは、
一緒に戦った仲間だけで、それが宝物なんだ。

ハーフタイムに、ミスした子どもが涙ぐんでいる。
顔を赤くし、悔しさで歯をむき出しにしていた。
しかし、しっかりと前を向き、顔を上げて私の話を聞いている。

他の子どもたちは淡々としていたが、ミスを一緒に背負っている様に見えた。
誰もミスについて何も言わないけれど、みんな感じていた。
「こいつら、もっと強くなる」私は確信した。

◎「チカラが出る言葉」それはどんな言葉ですか。
「奮い立たせる時」「認めてあげる時」「励ましてあげる時」

「いいよ、いいよ」「どんまい、どんまい」
それも素敵な言葉。でも全員でミスはミスだと感じなきゃいけない。

キャプテンが発した言葉は、たった一言。
手をバンバン叩きながら、「よしっ、行くぞ!」
それは間違いなく「チカラが出る言葉」だった。

つられる様に「絶対勝つぞ!」「声出して!」と続く。
これが春なら中央大会だなぁ・・・なんてね。
ようやく、頼もしい6年生になってきた様子です。』

その試合は後半に2点取り勝利を収め、
そして子どもたちは3試合後にリーグ優勝した。

今の私はどうだろう。
もう済んだことだし、今さら蒸し返しても
誰も良い気持ちもしない。

消化できていないことを伝えない方が大人なのだろうか。
この2か月程、モヤモヤしてきた時に、
自分の日記を読み返して決意した。

『いや、違う。その生き方は、私の生き方ではない。
ぶつかり合ったとしても理解し合い、
仲間として生きる道を選択しよう。』

そう、決めた。