卒園式当日の午後。
長女を抱えながら地震が治まるのを待った。

真っ黒な悪魔が海から押し寄せて、
人を、車を、家を、畑を、街を呑み込んだ。
まさに悪夢だった。

私たちの業界も、プロジェクトが次々と縮小され、
サブプライムから復活しかけた事業が、また止まった。
売上高や利益が大きく減少した。

『何ができるんだろう?』
『何をするべきなんだろう?』

社員が気仙沼でボランティア活動をして、
赤十字、あしなが育英会、その他を通じて、
社員たちと企業として募金を行った。

また、事業内外を通して社会貢献し、
企業市民として納税してきた。
だが、まだまだ未熟だ。

私の同級生が青森にいて、震災後の4月に
トラックに食材を乗せて炊き出しに出た。

行動力が羨ましかった。私の実力の無さが悔しかった。
事業さえままならない状態だったので、
思いがあっても、具体的な行動に移せなかった。

思いを形に変えられるように!
動ける余力を持てるように、事業を拡大させたい。
気が付けば、逆にパワーをもらっていた。

お亡くなりになった方々にご冥福を
悲しみにくれている方にそっと手を差し伸べ
苦しんでいる方に安心と勇気を、
そして、子どもたちに未来を。

復興に挑んでいる全ての方へ、
『あなたと共に挑戦します』

あなたに負けないくらい、
あなたに恥ずかしくないように、
あなたと同じ日本人として。