欅の木が倒れて14年が経とうとしている。
私が自由学園から離れた後も長年に渡り、
私の行く末を心配してくださった。

先生の後輩でもある伯父のコンサートにも
足を運んでくださり、その楽屋でも
私のことを気遣ってくださったと聞いた。

私の結婚式に主賓で来てくださり祝辞をいただいた。
しかし、その僅か数ヶ月後に他界された。
それから14年間、感謝と謝意の念を抱きながらも
お伝えできず、胸中にわだかまりがあった。

昨年末、先生のご子息であり、
男子部の大先輩にSNS上で出会った。

生き写しだった。

別人格と理解しながらも胸が震えた。
正月に母に写真を見せると
「そっくりね」と嬉しそうに懐かしがり、
戦後の昭和20年頃の話をしてくれた。

今夜、初めてお会いするが、曽祖父、祖父から
100年に渡り、それぞれの故人たちが
向かい合っていたのかと思うと、実に感慨深い。

世界中を飛び回っている日本を代表する
スポーツフォトグラファーの大先輩。
今夜は、どんな話で盛り上がるのだろうか。

今から、わくわくどきどき!
素敵な時間を過ごしたい。