今日はレースドールの制作工程の中でも、一番基礎の作業風景を紹介します!
私たちの中では『抜き』と呼んでいる作業で、石膏型をつかった磁器土の鋳込み作業の事です。当教室ではこの作業は生徒にはさせておりませんので、私の専業となります。
今回は少しマメに写真を取ってみました。
それでは準備です。まずは主役の石膏型(左)。と磁器土(右)、この場合泥漿(でいしょう)と言って液状の磁器土です。濃さは泡立てていない生クリーム位です。
石膏型に専用のゴムをかけ、しっかりと全体に圧がかかるようにします。このゴムは普通のものと違い弾力の強いタイプですから、かける作業も実は大変です(汗)下手すると腱鞘炎を招きます。
石膏型の準備ができたら、そっと磁器泥漿を流し込みます。口一杯までです。
時間が経過すると、一番右の穴のように、流し込んだ泥漿が沈んでくるようになります。泥漿ラインが沈むのは水分が石膏型に吸われたためで、嵩が減るのです。
一定時間が経過したら、排泥といって、石膏型をそっくりひっくり返します。これをしないと中が空洞の磁器形になりません。このタイミングが磁器の厚さを左右します。されどこのタイミングは長年の勘です。泥漿の水分量、石膏型の乾燥度、室温、気温によって異なります。
中の泥漿が出きるまでひっくり返したまま放置。乾燥させます。ところが、これも放っておくには限度があります。早すぎると乾いていないのでNG、遅すぎると中の磁器形の乾燥が進み、ヒビや割れが生じNG。これも勘!?
タイミングを見計らって、石膏型から磁器形を外す作業に入ります。まずは、ツールを使って注ぎ口周りについている磁器土をはがします。
さあ、いよいよ石膏型をパーツに分けてみます。緊張の一瞬。上手く磁器形と離れてくれたようです。
こんなカタチの磁器形が現れました!