今日は病院ふたつ分のお見舞い。

昼過ぎに身内の病院へ。昨日開腹手術した直後なのに、痛み止めでごまかしながら歩かされたりしていて、リハビリのためなんだけど辛そうで痛々しい。本当は大腸がんと一緒に肝臓へ転移したがんも取るはずだったのに、糖尿病の血糖値があがってしまって肝臓は見送った。まだ本人にはそのことを告げていないので「(取った)肝臓見た?」と言われてぎこちなく話題を変える。「痛いのはもういや」と言っているのに、来月また手術だとは言いづらい。

午後から親の病院へ。
流動食を難儀そうに飲む。「(お腹が)張ってしまって、コレだけでもつらいんだよ」と言いながら5つあるうちの3つをほとんど手つかずで残す。胃カメラを飲むことをもう一度説得したが「その話はもうおしまい」と言って聞き入れない。
担当医が来たのでナースステーションで改めて話聞いたけど、肝臓はもう手の施しようがないとの事。 がんはかなり進行していて、レベル4。「末期がん、てことですよね?」と聞き返したら「末期と言うのがどの程度を表すかは分かりませんが…」と濁される。
CTスキャンのデータをもう一度取り出し、通常の二倍に膨れあがった肝臓を射して「この全体を覆う黒い影ですが…」と言い淀む。「ガン細胞ですか?」と聞くと、「そうです」と。
覚悟を決めて余命を聞いたら、1年、もしくは1年以内と言われた。
上行結腸がんより肝臓がんの方がひどかったらしい。 それから、「10日の手術は癌の治療ではありません。このまま放っておくと、腸閉塞を引き起こす可能性があり、貧血もひどくなります。それを防ぐための手術です」という話をされた。

先生と話したあと病室へ戻り、普通に親と話した。
本人は、8日のカンファレンスを受けたあと、図書館へ行って気が狂ったように抗ガン剤について調べてきて「上行結腸腫瘍と言われたけど大腸がんだね」と家へ帰ってきて呟いた。プラチナを使用した薬はぜったい飲まないとか、肝機能の低下が起こったらいけないとか、いろんな副作用を心配しているのにさ。副作用で肝機能低下とか言ったって、すでに最悪なんだよ…。
私が胃ガンだ、胃ガンだって心配していたからそれも調べたみたいで「大腸がんから胃への転移率はこんなに低い」と自作のデータを見せてくれた。私は笑って「じゃあ大丈夫だね」と言った。「良かった」って安心したふりをした。
いらない荷物を持って帰ってと頼まれる。そんなことひとつがとても嬉しい。ただの用事なのに、それぐらいしかしてあげられることがないから嬉しい。
エレベーターまで見送ってくれる時、点滴をつけてない方の手をそっと握った。ほんの数歩、暖かさも優しさも、昔と何も変わっていないのに。

告知してあげなきゃいけない。
秋も、冬も、春も、夏も、あと一回。
せめて悔いのないように生きてほしい。

あぁ、でも、哀しいよ。
胸が痛くて、涙がとまらないよ。