お昼頃マミーから、自宅に帰ってきましたとゆービックリメールが届いた。なんか、昨日やった血液検査の結果が良好だったので、即退院しちゃったらしい。迎えに行くって言っておいたのに…。



 急に退院が決まったんじゃ、食事の支度もしていないだろうとおもって、横浜でお弁当を買って大井町へ向かった。



 ハナヂが出るとか、めまいがするっていうのは、どーしても抗ガン剤の副作用らしくて、でも、軽い方なんだって。しばらく主治医の先生に会ってないから、肺や肝臓が今どんな状態なのか、わかんないんだけど、食欲旺盛だし、声も元気だから、ガン細胞は悪さをしてないんだとおもう。



 夕方、ハマちゃんからメールがきて、お父さんの具合が悪いらしく、腹水が溜まっているみたいで、心配でたまらないみたいだった。22時半頃マミーの家を出て、夜中、電話で話した。



 ハマちゃんのお父さんは胃ガンで、胃袋全摘しているんだけど、手術後3ヶ月で職場に復帰したぐらい、元気になったんだ。ウチの親と歳がひとつしか違わなくて、手術も6/10、ウチの親のまるまる一ヶ月前だった。

 いろんな病状があって、いろんな個人差があって、たぶん、寿命もあって。一概にこうすれば良いとか、コレをやったらいけないってゆう対処法がある訳じゃない。ただ、話を聞いてあげることしかできないし、過去の話を聞かれて、答えてあげることしかできない。



 ツライのは、ハマちゃんの気持ちが、くるしくなるほどわかること。



 覚悟を決められない。

 信じたくない。

 夢かもしれないと、思いたい。



 たった、一ヶ月半の間、何度そうおもっただろう。



 ハマちゃんなんて、手術して、いったん良くなったんだからなおさらだと思う。わたしが経験したことより、希望をもった分絶望が深い。

 

 あのとき、たくさんの方がエールをくださった。

 たったひとことに浮かれて、たったひとことに落ち込んだ。

 

 なんにも言わないで、なぐさめてくださった方もいた。



 誰かにすがりたい。

 助けてほしい。

 どうしたらいいのか、教えて欲しい。

 夢なら早く、覚めてほしい。



 だけど、こころのどっかでわかってたから。

 げんじつをうけいれなくちゃいけないんだって。



 「姉さん、あたし、覚悟しなくちゃダメかな?」

 そう言うハマちゃんに、わたしはなんにも言えなかった。きっと、ハマちゃんは、判ってるとおもったから。あのときのわたしみたいに、こころのずっと奥の、静かな場所で、準備をしているんだって、おもったから。



 だれにも知られずに。

 自分さえも、気付かないように。



 でも、やっぱり言わずにいられなかった言葉があった。

 「お父さんが、良くなることを願ってます」

 ハマちゃんは、ありがと、つらいこと思い出させちゃってごめんねと言った後、なんだかひとしきりぶつぶつ呟いて、なにか思いついたように話を切り上げて電話を切った。



 夜中の2時につながらなくなった携帯電話を持っていたら、眠れなくなってしまった。マコといっしょに買った「瞬きもせず」を読んで、ひとりで号泣。感情のバロメーターをプリントしたら、たぶんすごい波のブレが激しいはず。