レンゲの花を見ると、幼いころを思い出す。



 ウチの親はなにかってーと散歩が好きで、よく連れて行かれた。駅ふたつ分くらい、平気で歩いた。足も速かったし、目的地の定まらない散歩は、わたしにとってはつまらなくて退屈な時間だった。



 「陸の孤島」と呼ばれる地域に住んで、電車に乗るために、まずバスを待つ、そんな生活がイヤで18歳になったとたんに車の免許を取った。同級生よりも年上のひとたちと遊ぶことが多かったから、車を持つのは(田舎だし)当然のことだと思ってた。



 車嫌いな親と、何度もそのことで衝突した。乗る・乗らないでケンカになったり、免許の合宿所を勝手に決められたり…。

 それでも、やっと手に入れた自由の翼。言うことなんて聞かないで、好き勝手に乗り回し、何度か事故も起こした。

 「歩く」とか「バス」とか、連想するイメージが「疲れる」や「めんどう」になり、次第に歩くより車、駅なんて自宅からいくら遠くたってイイ、と思うようになった。ナイスに勤めてる時なんて、一日100歩くらいしか歩かなかったし、そうなってくるとそのうち、歩けなくなってしまった。

 その頃出逢ったトモダチには「歩かないし、電車は乗れないし、世捨て人かと思った」と言われたぐらい、ひどかった。



 でも、最近はだいぶ歩くようになった。

 iPodで大好きな音楽を聴きながら、自分なりのペースで歩く。



 道ばたに咲く、はこべや猫じゃらしを見つけては、親を想う。

 暖かい春の日、一面のレンゲ畑に連れて行ってくれたこと。

 山道で、キライなヘビ相手に必死で闘ってくれたこと(笑)。

 夜道で聞いた、坂本九の「上を向いて歩こう」。



 ゆっくり、空を見上げる。

 歩くことが好きじゃないと思いこんでいたわたしのカラダには、しっかりと、お散歩好きのDNAが組み込まれていたようだ。



 春よ、来い来い。

 早く来い。 

 暖かくなったら、桜が咲いたら。

 親が大好きだった桜の花が、満開に咲いたら、目的地を決めずに、お散歩してみようと思う。



 今日はホワイトデーのお返しに、腕時計を頂きました (^ω^)

 ありがとう。