Muse細胞の美容医療での可能性 | 美容外科医のノート  室 孝明(東京&福岡 ビスポーククリニック)

美容外科医のノート  室 孝明(東京&福岡 ビスポーククリニック)

目・鼻・抗加齢医学にこだわり続ける美容形成外科医、室 孝明(むろ たかあき)のブログです。美容医療の初心者の方からベテランの方まで幅広く参考になる情報とお得情報をお送りいたします。
バランスのよいお顔作りに定評があります。

東北大学 細胞組織学分野・人体構造学分野 教授の出澤先生が第三の多能性細胞と言われる『Muse細胞』を報告したのが2010年、いよいよ治験が始まるとのことです。

Muse細胞の特筆すべき点は色々ありますが①誰もが持っている細胞である②他人のものでも拒絶反応が極めて起こりづらい③血管内に注射するだけでトラブルが起こっている箇所に作用する、そして④癌化リスクがほとんどない多能性細胞である、この4点が臨床応用されやすい理由だと認識しています。

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細胞のゴミだと思われていたMuse細胞

世紀の発見とは偶然と努力の積み重ねによってなされるものだと改めて思います。

美容医療での応用としてまず考えられるのは、手術直後からの創傷治癒、つまり傷跡を綺麗に早く治せる可能性があること。点滴するだけで急性炎症がおきている手術創に作用するわけですから、いずれはどんな手術にも適応となるかもしれません。

また、組織の再生医療に応用すれば、細胞寿命を終えようとしている老化した組織を新生させたり(つまりAGA治療や肌老化)、切除した軟骨の再生なども可能になる日が来るのかもしれません。

基礎研究や薬の開発は目の前の患者さんに限らず世界中の患者さんの治療に役立つ可能性があります。

早くも治験の結果が待ち遠しいです^ ^









本美容外科医のノート本

おしまい