人に勇気と感動を与える道

 

 地域医療のスペシャリストとして全国的に注目されている中村伸一さんは、

 

福井県の名田庄地区というへき地で30年間診療所の医師をしている方です。

 

寄りそ医 支えあう住民と医師の物語 | 中村伸一 |本 | 通販 | Amazon さん

 

 人口3000人の三割が65歳以上という高齢者のこの村では、毎日毎日

 

ひっきりなしにありとあらゆる病人が担ぎこまれます。

 

 ふつう診療所では、基本的な病気以外は総合病院を紹介します。

 

 そのほうがより専門性の高いお医者さんに診てもらうことができるからです。


 ところが中村さんは、内科や外科はもちろんのこと、皮膚科、消化器科、

 

整形外科、心療内科、アレルギー科まで自分でこなします。

 

 内視鏡やエコーを駆使してガンを見つけ、初期なら切除手術までも行って

 

しまいます。

 

 そして全国に先駆け、病気になっても入院せず自宅で暮らし続けることが

 

できるよう医療サポート体制を作り上げ、この結果、この村では自宅で最期を

 

迎える人の割合が4割にものぼります。

 

 これは全国平均の3倍です。

 

 ところで中村さんは、初めからこの山村で一生を終えるつもりでいたわけでは

 

ありませんでした。

 

ブラック・ジャック|マンガ|手塚治虫 TEZUKA OSAMU OFFICIAL さん

 

 彼は難しい手術をブラックジャックの如くこなす外科医を目指していたのです。

 

 彼が出た自治医科大学には、医師になってから一定期間地方の病院に勤務

 

するという義務があります。

 

 それで福井県の名田庄村に赴任したのです。

 

 診療所で経験をつんで三年、そろそろ都会の大病院に移って外科医への道を

 

歩もうかと思っていたとき、夜遅くに一本の電話がかかってきたそうです。

 

「先生、うちの親戚の女の人が、気分が悪くなって吐きました。

 

 こんなに夜遅くで悪いんですけど、往診してもらえませんか」

 

 患者さんは61歳の女性でした。

 

 京都から長時間車を運転して村まで来た後休む間もなく食事をし、ビールを飲んだ

 

といいます。

 

 しばらくして気分が悪くなりもどしました。

 

 肩もこっていると女性は訴えました。

 

 普通に考えたら長時間運転で肩がこって、疲れもあって、酔いも回り

 

そして吐いたというところでしょう。

 

 しかし最悪を考えたら、くも膜下出血もありえる。

 

 そうであれば命に関わってきますが、その場合は普通激しい頭痛が

 

起こるはずです。

 

 

 中村さんは肩に痛み止めを打ち、アルコールの濃度を下げる点滴を施しました。

 

 すると女性は「すっかり楽になった!」と笑顔でお礼を言うのです。

 

「あぁ、大したことは無い」と思って自宅へ戻ったのです。

 

 しかし、深夜に再び電話が鳴りました。

 

「先生、あかん!様子がおかしい!」

 

 あわてて駆けつけてみると、女性は意識が朦朧としています。

 

 

 救急車で病院に搬送してCTを撮ると、結果はくも膜下出血。

 

 そのとき中村さんは体中から血の気が引いていくのを感じたといいます。

 

 患者さんの命はどうなるんだろう。

 

 また、たとえ一命を取りとめても大きな後遺症が残るかもしれない。

 

 しかも原因は自分の誤診にある。

 

 訴訟問題になって話がこじれて、患者さんもだめになる、自分もだめになる、

 

両方ともだめになる、私は責任を取って辞めなければならない…。

 


 そんな絶望的な気持ちで自宅に戻ろうとしたとき、往診を頼んできた親戚の男性が

 

村まで戻るので送りますと申し出たのです。

 

 帰りの車の中で中村さんはひたすら自分の誤診を詫びました。

 

 どれだけ責められても仕方が無い、全ての責任は自分にあるということです。

 

 そのとき、予想だにしなかった言葉をかけられます。

 

間違いは誰にでもある。お互い様や。

 

 中村さんはただただ驚いたのでした。

 

 親戚が死ぬかもしれない状態で「お互い様や」という赦しの言葉に驚き、

 

中村 伸一 (@Doroctor) / X さん

 

 そしてそういう人たちのいるこの地域の風土に驚き、そして人生を決める

 

決断を下したのです。

 

ここに残って地域診療に貢献しよう…。

 

 このように”無条件の赦し”は、赦しを必要としている人に平安を与え、

 

勇気を与え、将来を与え、そして生きる感動を与えるのです。

 

(参考/「聖書と福音」)

 

 

 ところで、ヨハネ8:1~11を通して、イエス様は赦しとは何かを

 

教えておられます!

 

 

しかし、彼らが問い続けるので、イエスは身を起こして言われた。

 

『あなたがたの中で罪のない者が、まずこの人に石を投げなさい。』

 11 イエスは言われた。

 

『わたしもあなたにさばきを下さない。

 

 行きなさい。

 

 これからは、決して罪を犯してはなりません。』」(ヨハネ8:7、11)

 

 

 この言葉の中にこそイエス様の福音があります。

 

 それは無条件の赦しです。

 

 すなわち、「あなたはすでに赦されている。だから罪を犯してはならない」と

 

いうのです。

 

 つまり、いっさいの条件を課すことなく、最初から無条件で赦されているという

 

福音です。

 

 それは、「悔い改めをしたから罪が赦される」のではなく、「罪が赦されている

 

からこそ、悔い改めをするのだ」という福音なのです。

 

 福音とは、”無条件の赦しの福音”であり、律法よりも、また悔い改めよりも

 

先行しているのです。

 

 

すると見よ。

 

 人々が中風の人を床に寝かせたまま、みもとに運んで来た。

 

 イエスは彼らの信仰を見て、中風の人に

 

『子よ、しっかりしなさい。あなたの罪は赦された』と言われた。」(マタイ9:2)

 

 

互いに忍耐し合い、だれかがほかの人に不満を抱いたとしても、

 

互いに赦し合いなさい。

 

 主があなたがたを赦してくださったように、あなたがたもそうしなさい。」(コロサイ3:13)

 

 

 この”無条件の赦しの福音”こそが私たちに新しい人生の道を開くのです!

 

 

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