不倫発覚から3年半ほどが経過した時、私に転勤の話が舞い込んできた。全国に拠点を持つ会社なので珍しい事ではない。むしろ数年毎に転勤があるのは自然な事なので、これまでその話がなかったのが珍しいぐらいだ。
帰宅してその話をした時に妻は普通に受け入れてくれた。
そもそも選択権など基本無いのだが、一応家庭などに余程の事情を抱えている場合は、応相談のスタイルではある。
そして私は会社に転勤オッケーの返答をした。
私自身の気持ちは?と言うと、
「正直ホッとした!」が本音である。
夫婦関係は緩やかに改善傾向にはあるものの、平穏安定状態では無い。
そしてこれは、コロナ禍で飲み会や会社イベントがほぼ皆無の状態で‥である。
コロナの感染拡大が仮に収束し、自由に飲み歩ける環境ともなると、私は夜の席でも仕事をしなくてはならない場面が増えてくる。
週に2〜3回程度は飲みに行く事になるだろう。
その時の妻の反応が容易に想像できる。
恐ろしい‥。
不倫発覚後最悪の数年ではあったが、コロナ禍による蔓延防止や緊急事態宣言措置に運良く救われている自分がいたのだ。
今回の転勤は、妻にとっても
「毎日私を見て嫌なことを思い出さなくてすむ」
「夫の役割や価値、存在意義を様々な視点から見つめ直す」
「1人の時間を持って色々考える」
などの良い機会だろうと思っていた。
また私自身も、妻の嫌な面を日々感じなくて済むし、これで会社飲み会等、いちいち怯える日々から解放されるのかと思うと、断る理由どころか、むしろ手をあげて積極的に動きたいぐらいである。
そして私達は、不倫発覚から3年半の修復期間を経た後に、単身赴任生活へと移行した。
次女がちょうど成人するかしないか‥ぐらいのタイミングだ。
後に判明した事なのだが、この時妻は
「一緒について行くかどうか?」
考えていたらしい。
ついて来れないにしても
「ついて来てくれる?」
と聞いて欲しかった様だ。
なるほど。まぁそれはそうか‥
言われて初めて自身の配慮の足りなさに気づいた。
娘も居て犬もいて、マイホームを飛び出してついてくる選択肢は普通はないよな?と思っての会話だが、この様な状況下での別居に対し、形だけでも聞いておけばよかったなと反省。
かくして、私たち夫婦は大阪と名古屋で別居生活をスタートさせたのだが
引っ越しは妻が手伝ってくれ、生活に必要なものたちも一緒にそろえてくれた。どちらかと言うと楽しんで買い物も一緒に行ってくれたと思う。
一方の私も、いつ妻が来ても良い様に単身赴任先に妻のお泊まりセットも常備した。
まもなく単身赴任生活から一年が経つ事になるが、新生活以降は毎月1回は家に帰宅している。
2、3ヶ月に1回は妻がこっちに来ている。と言うか、くる時は娘や犬も一緒に大移動してくる事が多いが‥。
肝心の夫婦関係はどうなったかと言うと、私は良い方向に進んでるんじゃないか?と思っている。
しかし、全く何もなかったか?と言うとそうではない。
離れていても、完全に呪縛は解けていないのである。