こちら大和、明日に告ぐ。鋼鉄ノ鳥。 | mangporブログ

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・母の声を背にして 踵(きびす)をかえさず行くは   凛と春に埋もれる 永訣の朝 

嗚呼 我が沈めば祖国も沈む 一億特攻さきがけの  黒鉄の城 不沈の我が名は 大和 

舞い咲かせ飛沫を ちょうど見頃の桜さながら  せめて散るなら 刺し違えよう 我は阿修羅のごとく

奥歯を噛み締め手を振る そなたのその覚悟こそ  この身を燃え上がらせる そなたのためにこそ 主砲四十六三基九門 死に遅れれば名折れなり  海原聳える 不沈の我が名は 大和 

さればいざ参らん 時代のうねりに飲まれようとも  天の運命(さだめ)に刃向かってみせよう 我は阿修羅のごとく

ついに砲口は火を噴かず 撃たれ 撃たれ ぶち抜かれて  仰ぐ曇天燃やし尽くして慟哭の海に沈む

紺青の海は残酷にもあの日の地獄をも薄れさせる  忘れないで 忘れないで我は戦艦大和。

 

・廻れ、廻れよ いと儚げに 翼持たぬ鳥の歌よ 

水平線高く鳥は唄い 今飛び発つ銀の翼にて その瞳に灯す冷たい火は 戦場へと放つ雷槌いかづちよ

 その羽根で何処まで往ける気か 空は蒼く高くどこまでも澄み渡り 少年は鳥になりたかっただけ 戦火の渦に巻かれて

 飛ばせ 遙かなる旅路でも 翼持たぬ鳥は遠く たとえその手を血に染めても お国のためと 撃鉄落とす 燃やせ その生命を 火に変えて 翼宿す意志は強く 蜉蝣かげろうほどの命であれど 空に 華を 咲かせてみよう

 地平線に昇る陽を背にして 朝霧へと紛れ忍び寄り 燻銀いぶしぎんの機体駆る戦士は 戦場へと刻下導かれ

 鋼鉄ノ鳥は何処まで往ける 雲は厚く視界は遮られども  更なる空を見る少年よ 鳥のように羽撃はばたけ 

 落とせ 数多の屍しかばね超えて 蒼き炎 巻いて飛んで 鳥より鳥らしく在るために 武器と成りて空を駆けます 散らせ その生命を紅く染め 翼宿る意志は強く そして己の 焔ほむらを抱いて 刹那 空に 散り逝く定め

  響け 彼の命の福音よ 翼授け空へ放つ 

鋼鉄ノ鳥は放たれた  彼の翼 永久の空へ 朽ちて尚飛び立つ若武者は 鳥と成りて空を駆けます 飛ばせ 遙かなる旅路でも 翼持たぬ鳥は詠う 銀の翼を背にはためかせ 朝日 空に 消える思いよ。