ばんしに、死ねばすべては無で、
生きている時だけが華だというような自分の考えを話すと。
「普通の人はみんなそのように考えているもので、
それが当然だよ。
しかし、自分の力で目を開けようとしても
開ける事が出来なかったことも体験したね。」
「はい。いったいどういう事なんでしょう?」
「ま。これから色々と不思議なことが起こると思うよ。」
「え、なぜですか?」
「うーん。あなたに教える為だろうな。」
「何をです?」
「目には見えない世界があって、
見えない世界から、人間に色々な影響を及ぼしている事を。」
「もしそうだとしたら、不公平ですね。
自分はたいしたこと無くても、
後ろの存在が偉大だと大きな結果を出せるし、
後ろの存在が悪いと努力が報われないことになりますよ。」
「そう、事実はそうなんだ。
でも人間はそれがわからないから自分一人で、一生懸命がんばるんだが、
結果が大きく出る人と、本当に努力しているのに、
小さな結果しか出せない人とか、差が出るんだ。」
「人によっては人生を悲観的に考え自殺までする人もいる。
反対に始めは小さな事がだんだん大きな結果を出して、
どんどん表舞台に出て人々から多くの賞賛を受けるような人もいる。」
「同じような努力をしたのに、だ。」
「だったら、恵まれた運命を歩くことは、
後ろの存在がの大きさによるものですか?」
「まあ、そうだな・・・。」
受け入れがたい話が続いた。
でも、全く無視も出来ない話だった。
事実を何度か体験させられていたから。
しかし、そんな事があるわけない。
何かのトリックを
使ってコントロールしているだけだろう。
そうに違いない。
そう思うことにした。
その後は世間話をして
楽しいくつろいだ時間をすごさせてもらって
夕方、ばんしの家を後にした。
自分の部屋に
帰ってきて心に引っかかるものがあった。
自分を支えている存在の影響で人生は大きく左右される。
健康もそうだと。
人にはほとんど言ったことは無かったが、自分は小さい頃に喘息という持病を抱えていた。
成人すれば治るからと、どの病院でも言われ続けてきた。
しかし、20代半ばになっても発作は出た。
人に知られるのがいやで、
副作用が相当あると言われて、危険なきつい吸入剤をお守りのように持っていた。
この薬がないと、発作はひどくなり病院で注射も必要になり、症状がこじれると数日寝込むという、自分にとっては最悪の持病だった。
他の人からは普段発作の無い時は健康そのものに見えるから、病気とは無縁で
寝込んだと言っても、サボりくらいに見られている、
この歳でも発作が出るということは一生治る見込みは無く、
薬でコントロールするしかないとあきらめていた。
そうだ、ばんしならこの解決策を
知っているかもしれない。

