手が勝手に動きだしたのか、自覚できなかったが
自分の手なのに、自然に
両手が胸の前で合掌する形となり、
両方の手のひらを上に向けた。
それから徐々に上に動いて、手のひらに何かを乗せてもらうのを
待っているような姿勢をとっていた。
頭を下げてお辞儀のような格好をしていたように思う。
目は閉じたままだが
たぶんそのような姿勢をしているだろうと
想像していると
数分後、何か明るさを感じた
目はずーっと閉じたままだったが
天井のあたりから
何か丸いものが見えてきたように感じた。
あれっ、と思っていると
大きさはピンポン球位で、光る玉が出現した。
見えているわけではないのだが
そんな感じがしているのだった。
両方の合わせた手の中心に、上から光る玉が降りて来たのだ。
両手でその玉を大事そうに包み込んで
胸のところにそーっと持って来た。
すると、光の玉は
胸から、フワーッとした感じで
自分の体内に入ってしまったのだ。
「ウオーッ。これは、自分の妄想か?」
正座の姿のまま、ただただ驚いていた。
両手の動き、胸のところに持ってきた動きもわかるし、
光の玉を感じた。
綺麗な光を放つ玉だった。
しばらくすると、
妙に落ち着いた気分になっていた。
風で波立っている湖の水面が
無風状態になって、鏡のように
平らになって、静まりかえっているようだった。
この正座の瞬間は
自分にとっては衝撃的な
事件だった。
来る日も来る日も
意味もわからず正座して
この事にどのような意味が有るのだろう??
そんな事思いながら
足のしびれと戦ったりしていたのだから・・・。
神とか、見えない世界を
否定していた自分にとって
益々理解の出来ない事件となった。
又、ばんしの所に電話したいな・・・
でも人の妄想かも知れない話を、忙しく
しておられるお父さんに
電話するなんて・・・・
しかし、
電話しようと決心した。
思い切ってダイヤルすると
「久しぶりだね。何か変わったことがあったか?」
電話がつながるとすぐ聞かれた。
自分が電話することを、読まれているのか??
光の事を話すと、それまで自分がしゃべることを黙って聞いてくれていた
ばんしが急に大きな声で
「よかった!よかった。それは良かった!」
「いやー、良かったな・・・・。」
何度もこのせりふを言ってくれた。
一体なんだ???どうしたんだ??
「これは良かったことなのですか?」
「自然が一つの力をくれた。そういうことだ。」
「これで、、喘息も治るかもしれないな・・・。」
つぶやくように言われた。