「始皇帝と大兵馬俑」展とタイアップで、九州国立博物館・一階エントラスホールでキングダム展も開催された。「始皇帝と大兵馬俑」展と同じく、6月12日が最終日となった。
展示内容は、2月に東京の山手線で行われたキングダム展と同様の物とのこと。
【前期】3月29日(火)~4月28日(木)は連載前半5年間の内容
【後期】5月 6日(金)~6月12日(日)は連載後半5年間の内容
という内容。前期には行けず、後期のみの参加となったが、展示を見終わってから、前期も行くべきだったと激しく後悔した。
パネル6枚の表裏に、複製された物が展示。無料のエントラスホールでの展示の為、ーキングダムファンならずとも「始皇帝と大兵馬俑」展や観光で来られた方も多く見られていた様子。
カラー原稿コーナーでは、コミックスの表紙原稿の物等。連載時はカラーでも、コミックスではモノクロになるカラー原稿の数々も展示され、こうして改めて展示されると、新鮮に見えた。
キャラクター設定の「連載前スケッチ」のコーナーでは、公式ガイドブック「英傑列紀」に小さく掲載された物が大きく見れる。
また、王翦の設定スケッチは、あまり公開されてないのではないだろうか?昌平君にまつわる話も載っていて、初期のストーリー原案も気になるところ。
完成作品とは違うデザインの廉頗や龐煖、初期の王騎将軍や李牧、信、タイトルが「始皇帝」で主人公が政だった頃の見開きのスケッチと、貴重なスケッチもお蔵出しされていた。
個人的に一番見入ったのは、ネームと実際の原稿の比較展示。
NHKの「Switch」で原先生が原先生の仕事場を訪れたシブサワコウさんに、ネームについて「時々見ながら、表情の確認もしないといけない」「このくらいのテンションだっけ?」と話されていたのを話されていたのを見たばかりだったので、興味深かった。
その「テンション」の高さや「熱」を一番感じたのが、226話「おちょくり」で見開きで描かれた、信と輪虎の一騎討ち。
ネームと実際の原稿で、コマ割りや台詞が違っている物もあった。
個人的に、428話「命懸けの逃避」で陽ちゃんが、アイ国軍の足を止めるべく、馬へと飛び込もうとするところの台詞は、実際の原稿より好きかもしれない。
原先生によるキャラクターやストーリーの説明も。信とヒロイン達の三角関係や、キャラクターの死について、「信を成長させる大将軍」には、王騎将軍、ヒョウ公将軍と一緒に廉頗将軍も。この並びは濃い(笑)
名場面の原稿では、原先生による台詞の書き込みもそのまま展示されていて!
複製原稿とはいえ、緻密に複製されていて、べた塗りの筆跡が分かる物もあった。
コーナーに関係なく、352話「不抜」の物にはウルっと来てしまった……
何より痺れたのは信と政、348話「行く理由」と426話「人の本質」での名台詞。
九州国立博物館閉館後、撤去が始まるギリギリまで楽しませて頂いた。
ずっと手描きの原先生だからこそ、伝わってくる迫力、感情を感じたキングダム展だった。
7月からの「キングダム展in佐賀」が楽しみになった。