うりたけ(綾辻行人&塩見浩一郎)LIVE・レポート/祇園 pick up 2016.5.7 | PERFECT PERSONAL WORLD

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西に東に、はてしない追っかけ日記

※今回は曲名とMCの一部以外、メモを取ってない為、記憶違い等はご容赦ください。



会場のpick upは、京阪四条から四条通を八坂神社の方向へ進み、途中で左折、雑居ビルの地下にあった。

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縦長の店内、向かって正面に店名の「pick up」のロゴが入ったタペストリーが掛かったステージがあり、ドラムセット、左側にピアノが置かれている。
ステージに向かって、右手にカウンター、左側にテーブル席が並び、開演の午後8時の数分前に私が到着した時には、テーブル席の後方に席が余っている状態だった。

前日にpick upさんに空席を問い合わせた時、「20数名の予約があって、当日は後ろの席になってしまうかもしれない」と。最終的には満員に近い状態になったのではないだろうか。

私が飲み物を注文して、開演を待っていると、入口に近い後方、音響・照明席の側で綾辻さんと店の方が、前説について相談している。綾辻さんは、サイン会と同じく、黒の帽子とジャケット、オレンジ(照明でそう見えたけど、赤だったのかもしれない)のシャツに、濃紺のスラックス(?)。

でもこの日は、これまで何度となく足を運んだ、著作のサイン会や講演会ではなく、LIVEを聞きに来た。

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前説では、普段は一流商社のサラリーマンだという、ギター・ピアノ、コーラスを担当された塩見浩一郎さんと、大学時代に組んだ「うりたけ」の紹介や、pick upで何度もLIVEを行っていることの紹介が。

「いわゆるオヤジバンドです」

という綾辻さんに、

「オヤジバンドって、オヤジになってからバンド始めた人たちでしょ?僕らがずっとやってるから!」

と塩見さんがツッコミを入れて、「そうなの?」と綾辻さんが惚けて返して(笑)

「LIVEでは、手拍子が入ることがありますが、そういう曲ではありません(笑)手拍子がない方が良いLIVEもあると思うけどなあ」

と、やんわりと手拍子について注意され、「トイレや終電の方は無理しないでくださいね」と気遣いも。
ちなみに、この日は深泥丘病院(笑)医師や、他にも綾辻さんのお知り合いの医師の方がいらしてたようで「医者には事欠かない」夜だった様子。



1曲目は、「1982年の曲」と紹介された「冷蔵庫の中の月」。

音楽に詳しい人間ではないけど、お二人のギターと綾辻さんの高い声での歌い出しに、驚いて姿勢を正してしまった。想像以上にお上手で、付け焼き刃という感じが全くしない!演り慣れている感じが伝わってきた。

「B4号線棟の幻視と書いて『まぼろし』」

と、いう風に曲の前後で、綾辻さんから曲のタイトルが紹介され、時折MCを挟みながら進行していく。

4曲目の「翔べない瞳」。

「90年代のお仕事に、ナイトメア・プロジェクト 『YAKATA』という、甘酸っぱい想い出がありますが(笑)」

この曲は、元々うりたけの曲で、作曲は塩見さんとのこと。ゲームの音楽を担当された南澤大介さんが気に入られてゲームのサントラに入れられることになったとか。サントラに名前(ペンネーム?)が入った時は、「感激して、印税要りません!と言ってしまった」とのこと(笑)確か、サントラでも綾辻さんが歌われていたのでは?

「翔べない瞳」から間を置かずに始まった5曲目の「ブラックボックス」が終わると、綾辻さんの「何だか、疲れてきました……」というMCに会場から笑いが、塩見さんが「リハ、やり過ぎたよね(笑)本番くらい、ずっと歌ってる」とスカさじゃフォローが入る。

次いでの6曲目の「彼」は、このLIVEで特に気に入った曲の一つ。どの曲からも、綾辻さんの作品に通じる、仄暗くもどこか美しい雰囲気を感じた。リハーサルの徹底といい、うりたけでの活動もまた、綾辻さんにとって重要な表現活動なのかもしれない。


7曲目の「ウィザードブルース」の後で、第1部の終了と10分の休憩が宣言される。この時、午後8時48分。

休憩中も綾辻さんは水分を摂られたり、上着を脱がれたり、第2部に向けて調整される一方、塩見さんとお二人で、前方の席の方々や、お店の方と挨拶、歓談されたり、水分を摂られていた。

この日のお客は、綾辻さん、塩見さんのお知り合いの方が多かった様子。一方で、過去のサイン会でお見かけした方や、若い方も何組かいらっしゃっていて、綾辻作品のファンの方々も、それなりに訪れていた様子。



第2部は午後9時ちょうどからスタート。

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塩見さんが、この曲からピアノを弾かれての8曲目、井上陽水のカバー「月が笑う」から。この後の甲斐バンドやEGO-WRAPPIN’等、第2部はカバー曲が多かった。
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9曲目でゲスト、廣江明子さんがヴォーカルで参加。
私の後方のカウンターに座ってらっしゃった方だけど、お綺麗で、ただならぬ雰囲気を持たれてる!と思っていたら、塩見さんとLIVE活動を行われている方だとか。京大で綾辻さんと、同時期から活動されていたとのこと。
廣江さんの紹介の時、綾辻さんが同世代で学部が違う、某有名な文学賞を取られた作家さん二人を挙げられて「負けてますね(笑)あ、総売上では勝ってるかも」と自虐トークが(笑)

廣江さんがメインヴォーカル、綾辻さんがギターとコーラス、塩見さんがピアノ、コーラスで演奏されたのは洋楽のカバーで、「日本語歌詞は、なかにし礼さんがつけられたんだよね」と紹介されていたので、岩崎宏美のカバーで良いと思う「Feelings」。サビでのお三方のハモりが本当に綺麗だった。

そのまま、甲斐バンドの「最後の夜汽車」、塩見さんがギターに戻られてのEGO-WRAPPIN’「老いぼれ犬のセレナーデ」とカバーコーナーが続き、次の曲の紹介。

人気ミステリ作家の処女作を集めた「0番目の事件簿」に収録されている、「人形館の殺人」の原型となった「遠すぎる風景」と同じ頃に書かれた曲で、その頃の心情が詰まった曲。「努力しても報われないこともある」という想いがこもった「孤独の歌」。聞き入ってしまった。

続いての「心変わりあるとすれば」は韻の踏まれた歌詞や、これまでよりテンポの良い曲で、これまた気に入った曲。元々、綾辻さんの声を何度も聞いていたこともあるだろう。それでも、多くの曲でのミディアムテンポの曲調と、綾辻さんの声質の良い歌声に、自然と身体を揺らしていた。

15曲目の「夕焼け」で再び塩見さんがピアノを弾く。この曲の夕焼けの風景は、「緋色の囁き」のイメージに繋がっていると紹介された。
第2部のラスト「果てなき流れの果てに」で会場から大きな拍手が、それを受けて間を置かずのアンコールへ。


アンコール冒頭のMCで、綾辻さんが塩見さんに「文豪ストレイドッグス」について説明するという場面が(笑)塩見さんの娘さん、アニメがお好きで「知ってるかもしれない」と。京極夏彦さんと「対決」するスピンオフ小説は好評とのこと。綾辻さんの「僕が書いたわけじゃありませんけどね」との発言に笑いが起きる(笑)

アンコールはローリングストーンズの「Angie」のカバーから。この日のカバー曲たちは、本格ミステリ作家ではない、綾辻さんのもう一つのルーツであり、嗜好が表れているのだろう。


ここで、新刊情報。

来月に「Another エピソードS」の文庫が発売されること、7月に新作「深泥丘奇談・続々」が発売されることが告知される。

「去年は『くうきにんげん』だけでしたが、今年は2冊も本が出ます」

「(『深泥丘奇談・続々』は)最近だと、『Another エピソードS』の新作かな?」

と言う綾辻さんに

「全然最近じゃないじゃん!」と塩見さんがツッコミを入れて、笑いが起きる(笑)

連載中の「Another 2001」についても宣伝され、「いつ(本が)出るか分かりません」と。

……いや、お待ちしています!


また、7月の新作「深泥丘奇談・続々」については、「サイン会やるんじゃないかなあ」と嬉しいお話も!是非、実現させてください!!!


最後の曲は、「冷蔵庫の中の月、ふたたび」。1曲目の「冷蔵庫の中の月」を受けての選曲だった様子。午後10時20分ちょうどにLIVEが終了。



その後も、お知り合いの方やファンの方と歓談したり、記念撮影に応じられる綾辻さんと塩見さん。
トイレ待ちで塩見さんの後ろに並んだので、「『彼』と『心変わりあるとすれば』がとても良かったです」と感想をお伝え出来た。

pick upのオーナー・佐々木慶子さんとも少しお話を。綾辻さん、塩見さんと大学で同期とのこと。綾辻さんもよくpick upにいらっしゃるとか。佐々木さんに背中を押され(笑)綾辻さんにご挨拶に。


私が「福岡から来ました」とお伝えすると、「えええ!!!」という感じで驚かれて(笑)(ちなみに、この日は私の他、名古屋から遠征された方々も)

「他の用事と抱き合わせですよ~」と恐縮してから、「本当に音楽がしっかりしてて、楽しかったです!」「『彼』と『心変わりあるとすれば』がとても良かったです」等と、いつもながらに緊張しながら(笑)感想をお伝えして、このレポート用に、2曲ほど曲のタイトルを確認させて頂く。大阪在住時から、サイン会に参加してたことや、

「『奇面館(の殺人)』のサイン会(ツアー)、福岡で大トリ私でした!」

「『Another エピソードS』で読者モニターをやらせて頂きました!」

と、私の数少ないAyalistとしての実績(?)をお伝えすると、「あの時の!」「(読者モニターについて)あの時はありがとうございました」と、応じて頂いて……!

恐る恐る、サインをお願いすると、「もちろん良いですよ!」と快く「霧越邸殺人事件(上)〈完全改訂版〉」と、実写映画版「アナザー Another」のチラシ(ちなみにpick upさんには、別種類の橋本愛のアップ版のチラシにサインが入った物が展示してあった)にサインを頂く!!

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綾辻さん、ありがとうございました!!!


……念願の「霧越邸殺人事件」にサインを頂けた!!!\(^o^)/


何より綾辻さんから、

「遠いところから、ありがとうございます」

と労って頂いて、本当に嬉しかった。その後、ステージ前で塩見さんと3人で記念写真も撮らせて頂きました(笑)


その後も終電のギリギリまでお店に残る。帰り際、店の外でお知り合い?の方と話されていた綾辻さんにご挨拶して駅へ。

私の座席の位置からでは、ステージの綾辻さんが少し見にくくて、写真を撮る時は、カウンターに入れて頂いたり、問い合わせ時に親切に対応して頂いたり、pick upのスタッフの皆さんには心から感謝しています。

おかげで、楽しい夜になりました!


宿泊地を目指して、大阪を目指している頃、ツイッターに綾辻さんからLIVE参加者に向けての感謝の言葉のツイートが。
普段はあまりリプライすることのない私だけど、LIVEの興奮もあってか早速リプライを。私を含む、参加者からのリプライ全てに、綾辻さんがお返事をされていて!




最後まで、大満足な夜になりました。


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小説とは違う、綾辻行人のもう一つの顔。

ミュージシャンとしての綾辻行人、新鮮でした。

うりたけのLIVE、是非また観に行きたいです!




うりたけ

綾辻行人(G/Vo) 塩見浩一郎(G/P/Cho)

ゲストヴォーカル:廣江明子(M-9/Feelings)



祇園 pick up /2016.5.7


※曲名は、曲紹介時の聞き取りによる物の為、実際の曲名と違う可能性があります。

※カバー曲はインターネットで曲名を検索しました。


SET LIST

〈第1部〉
1.冷蔵庫の中の月
2.B4号棟の幻視(まぼろし)
3.氷の世界(井上陽水/カバー)
4.飛べない瞳(ナイトメア・プロジェクト「YAKATA」より)
5.ブラックボックス
6.彼
7.ウィザードブルース

〈第2部〉
8.月が笑う(井上陽水/カバー)
9.Feelings(モーリス・アルバート、岩崎宏美のカバー/ゲストヴォーカル・廣江明子)
10.最後の夜汽車(甲斐バンド/カバー)
11.老いぼれ犬のセレナーデ(EGO-WRAPPIN’/カバー)
12.孤独の歌
13.心変わりあるとすれば
14.子供は眠る
15.夕焼け
16.果てなき流れの果てに

〈アンコール〉
17.Angie(ローリングストーンズ/カバー)
18.冷蔵庫の中の月、ふたたび

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