─北棟3F図書館─

「はぁーっ・・・・とりあえず説明してくれない?」
「・・・。」
「こらこら・・・。」
何も返事を返さない大島に対して小野はうんざりしていた。
閃光弾・・・と言う物なのだろうか。小野はそれの光に包まれる前、大島の言葉に反応して、幸運にも目を閉じることができた─?小野は大島に手をとられ、強引に引っ張られながら走りまくって、今に至る。
(な~にが“手に掴まれ~”だ。あんたが私の手を強引に引っ張っただけじゃん・・・)
しかし、小野も普段は緩く生活をしているが、こういう感じの切羽詰まった状況に対する対応は悪くない方だ。小野は自分に何かしらがあって、それがこの結果だと言うのは理解できた。
「ねぇ~。何か喋ってくれないとわかないよ。」
「・・・。」
「・・・あっそぅ・・・そっちがそんな態度とるんだったら、こっちにもそれなりの態度をとらせてもらうよ。いい??」
「・・・。」
(こいつ・・・。)
「誰かー、ここにー、ちかんがぁ──!!」
「しっ!!」
大島は小野が喋っている口に人差し指を当ててだまらせた。
「やつがくる・・・。」
「やつ・・・??」
靴が廊下を叩き、少し高い音が誰もいなくなった校舎内に響く。ひとつ音が鳴るにつれて図書館内に聞こえる音が少しずつ大きくなる。
「小野、後で説明してやるから今は俺の指示通りに行動してくれないか?」
「・・・しなかったら??」
「・・・俺がお前を殺すことになる・・・。」
「・・・わかった・・・・。」
「恩にきる。」
小野は大島が冗談を言っているように感じなかった。と言うのも、小野は気づいていたからだった。大島がブレザーの中に手を入れたそこから少し見え隠れするナイフに。
「いいか?お前に頼みたいことは3つある。」
「3つ?」
「そうだ。1つ、これからなにがあっても声を出すな。2つ、やつにここにいることを絶対にバレるな。3つ──────。・・・・・・・わかったら縦に1度頷いてくれ。」
小野は無言で頷いた。
















図書館のドアが、軋んだ音と共にゆっくりと開かれる。
「いい加減“かくれんぼ”は、終わりですよ。」
『D』である。
「私は無駄な殺生はしたくないたちなんですよ。」
「そうか。けど、そいつも今日でお仕舞いにしてやる。」
「これは、これは、・・・・・あなたには用がないんですよ・・・小野恵令奈はどこだ。」
「黙れ。これ以上喋るならば、貴様の五体満足の身体に4つ風穴を開けて行動不能にする。さらに、『組織』の事を洗いざらい吐いてもらう。」
「・・・。」
(1つ・・・・・・何があっても声をださない・・・・。)
校舎内に響いていた靴の音と同じ音を鳴らしながら『D』は、図書館の奥に進み、大島から8m弱離れて正面に立った。
(2つ・・・・・・ここにいることをバレるな・・・・。)
「・・・・・・困りました・・・・・・・・・・では・・・・私があなたの五体満足に4つ風穴を開けて行動不能にして、彼女の居場所を吐いてもらいましょうか・・・。」
「・・・。」
(そして、3つ・・・・・・

























































“俺が囮になるから、お前は隙を見て奴の死角になる背後を本棚を盾にしながら見つからないように走って図書館から出ろ。

そして、































この曉楼高校敷地内から逃げるんだ!!!!”)
















続く。

※ふぃくしょんです。
─放課後─

「じゃあ、おれはここをやればいいな?」
「うん。私は、先生にもう終わるって言いに行くね。」
倉持先生から出された大量の課題(どうやらHR委員会の活動方針案とかエトセトラ・・etc・・・・・・・・・・・・・・)に悪戦苦闘し、やっとこさ全て終わり、かたまっていた身体で伸びをしながら小野は立ち上がった。
「お前が戻るまでに、これ書き終えとく。」
「よろしく~」


ガラァァ・・


4Fにある1-2のドアを開けて2Fにある職員室に向かう。只今17:06。ほとんど日が暮れかけていた。
「いや~、もう夜じゃないかな?」

─職員室─

ガラァァ・・


職員室には倉持先生しかいなかった。
「失礼しま~す。」
「ぁ、小野さん。」
「頼まれてた課題は終わりました。」
「ありがとう!じゃ、課題は明日の朝のHRの時に渡してくれればいいから、教室の電気と戸締まりして早く下校してね。寄り道しちゃだめよ。」
「は~い。」
「じゃ、私は先に帰ります。」
倉持先生は机の上に広げてあった書類をまとめて、ファイルに閉じて、自身のバックにしまった。そして、席をスグに立つと軽快な足取りで、帰ってしまった。
(はぁ・・やっと帰れるなぁ・・)


ガラァァ・・


(いや~、相方の方が働き者でよかった、よかった。私はあーいうの効率悪いからなぁ。・・・大島くんだっけ?ありがと~!!)
小野は帰宅するために少し薄暗くなった廊下を歩いて自分のクラスにあるバックを取りに向かっていた。
(それにしても・・・暗くてちょっと不安になるなぁ・・・)
「こんばんは。」
「っ!?」
「はじめまして、小野恵令奈さん。早速で悪いのですが、私についてきて下さいませんか?」
「だ、誰!?」
身長は178くらいだろうか、スラッとしている体型には何か嫌な感じが取り巻いていた。髪型は中世のイギリスでお偉いさんの執事でもやっていたかのような整った長髪で、後ろ髪は結んでいる。顔立ちは、切れ長な目が上につり上がっていて、軽い含み笑いがこの男を不気味にしたてあげていた。インナーにはきっちりとした漆黒のスーツをまとい、その上に漆黒のロングコートを羽織っていた。
「あなたは私たちの『組織』に選ばれました。『Master Key』小野様、参りましょう。」
「・・・何ですかあなたは・・!?」
「すいません。申し遅れました。私の名は『D』。さぁ、『組織』の主人が待っておりま・・・っ!!」
「小野ぉぉぉ!!手捕まれ!そして、目を閉じろ!!!」
───その瞬間
小野は激しい光に包まれた。
い。」

小野のクラスは1―2だ。


がゃがや・・・


「ふぅー、やっと席につけたぜぇー・・・」
小野は自席に座った。
「恵令奈~」
「ぁ、麻友~。同じくクラス??」
「うん、宜しくね。」
よちよち歩きながら小野に近づいて来たかなりの美少女は渡辺麻友。小野の中学からの親友である。
「麻友は何か部活入るの?」
「うん。野球部のマネージャーさんやろうかなぁって、思ってるよ。」
「ぁ~青春してるね~」
「そんな目で見ないでよ~。・・・だって凌くんが野球部だから・・・」
「男か・・・」
「もぉ~恵令奈のイジワル!」
「ごめん、ごめん。」
「恵令奈はどっか入るのか?」
「お―、みゃおじゃないか。」
「やぁやぁ。」
元気な声で小野に話て来たのは、となりクラスの宮崎美穂だ。肌が少し焼けている。
「みゃおは相も変わらず陸上一本だよね。」
「もちろん♪」
「美穂らしいね。」
「恵令奈も陸上やろうよ!中学で3年間やっていい線までいったしさ。」
「いやいや、高校は帰宅部として放課後を有意義に使おうかと・・・」
「ほぉ―、そうくるか―」
「まぁね―」
「美穂!先生来たよ!」
「やば!やば!・・じゃ、また今度。」
「またね、みゃお。」
「じゃあね、美穂。」
「はいっ、席に着いてね~」
和やかな話し方で先生は生徒を席に座らせた。
小野は後ろから2番目だった。
「これから1年間みんなと頑張ります。倉持明日香です。宜しくお願いします。」


パチパチパチパチ・・・


「早速だけどHR委員を決めるよ~。HR委員を決めたら、その2人で他のことも決めてもらうからね。じゃ、やりたい人挙手!」

しーん・・・
(まぁ、そりゃそうだろ・・・)
頬杖をつきながら小野は思っていた。
そもそもHR委員なんてものはとても面倒なんだ。部活のある人は放課後に残って作業しなきゃいけないし、クラスの皆をまとめて体育祭やら文化祭やら頑張らなくてはいけなかったりetc・・・
とにかく面倒くさいのだ。
「じゃあ、決まらないから私が適当に選びます。」
「「え―!!」」
「まぁまぁ・・・じゃあ、今日は・・・」
(今日は4月6日・・・6日・・・あれ、まさか・・)
「6日だから出席番号6番の小野恵令奈さんと小野さんの前の席の大島祐希くんお願いします。」
「わ、私ですか!?」
「よろしくお願いしますね。」
(お、終わったよ。私の1年間・・・)
「小野さん・・・だっけ?よろしく。」
「あ、よろしく。」
相手の大島祐希は身長は173cm前後ぐらいだろうか、体は引き締まっていて、体型は普通よりちょっと細い感じで、顔立ちは少し眠そうな雰囲気だ。
「じゃあ・・・どんどん決めておいてねぇ―」
「はい・・・」
「放課後は残って今日のHRの事の記録と今度の委員会の時の声明文書いておいてね。」
「はい・・・」
















続く



全て空想上の話です。