こんな演奏会があった。
このプログラムは、私が身を入れてクラシックを聴くようになる以前、小学生の低中学年時分に、百科事典のオマケについていたレコードで聴いていた内容に近い。
このうち、今は人気がなくなって演奏機会のほとんどない、軽騎兵序曲の生演奏を私は初めて聴いた。
こういう曲はコバケンの独擅場である。
それに加えて、演奏会場への興味があった。
人見記念講堂は、サントリーホール、東京芸術劇場、オーチャードホール鼎立時代以前の、代表的なクラシックの会場だった。私は30年以上前に、ヘンリク・シェリングのリサイタルをここで聴くはずだったが、シェリングの突然の死により払い戻しとなった。
ホールはそれから改修、大リニューアルを経ているそうだが、ともかくも初めて座る席であった。
音はいいと思った。
84歳となったコバケンの音楽は、まだまだ躍動感に溢れた素晴らしいものだが、どうかするとスッペもベートーヴェンも同じような内容に終始するところが問題のようだ。
マチネであったから、開演前に三軒茶屋の街をさっと歩いた。