東京超低山登攀記6・箱根山 | 出ベンゾ記

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ベンゾジアゼピン離脱症候群からの生還をめざして苦闘中。日々の思いを綴ります。

新宿区の戸山公園には、山手線内最高峰とされる箱根山がある。


数多のガイドブック等に取り上げられる名勝(笑)だ。





ただ、私をして言わしむれば、この山には見頃があって、それは年に二三日。桜が散る数日、全山を落花が覆いつくす様は圧巻である。


私が新宿区に再び住むようになって、さて、3年くらいたった頃、その目の覚めるような風景に出会った。





当時はこんなものではなかった。

さあ、登ろう。





以上が概要。

標高44.6m(笑)。

この近くに、古びたキリスト教の教会があるが、私はここが怪人二十面相のアジトのモデルだと思っている。



〈車の止った所は、戸山ケ原の入口でした。老人はそこで車を降りて、真暗な原っぱをよぼよぼと歩いて行きます。さては、賊の巣窟は戸山ケ原にあったのです。原っぱの一方のはずれ、こんもりとした杉林の中に、ポッツリと、一軒の古い西洋館が建っています。荒れ果てて住手もないような建物です〉

 このあと、名探偵・明智小五郎の助手である小林少年がこの洋館の地下室に閉じ込められてしまうのだが、彼は探偵七つ道具の縄ばしごを使って、天井近くに設けられた明かり取りの小さな窓から外を観察することに成功する。

〈窓の外、広っぱの遥か向こうに、東京にたった一箇所しかない、際立って特徴のある建物が見えたのです。東京の読者諸君は、戸山ケ原にある、陸軍の射撃場を御存じでしょう。あの大人国の蒲鉾を並べたような、コンクリートの大射撃場です〉



このカマボコ兵舎のならぶ陸軍の施設の跡からは、つい10年ほど前、731部隊が繰り返した人体実験の遺体が出土したと言われるが、真相はうやむやのままだ。


近くには、実験施設を思わせる、戸山ハイツの給水塔が立っている。

満山の桜は何ものかを悼むようにも見える。