政府が1956年に設置した売春対策審議会が行った調査では、当時30~50万人の売春婦がいると推計されました。
それから約60年間、売春や性風俗に関して同様の公式調査は行われていません。「プライバシーに関わる」という抗議も影響しているようです。
そこで、売春婦とは違いますが、性風俗店で働く女性コンパニオンの人数を推計します。「1店舗あたりの在籍人数×実際に営業している性風俗店の数=女性の人数」と計算できるハズです。
前回記事と同様に、1店舗あたりの在籍女性人数を推計。マンゾク ネット広告データを参考に、荻上チキ氏・飯田泰之氏「夜の経済学」(扶桑社)から引用して話を進めます。
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全国のマンゾク ネット掲載店舗からランダムに320店を抽出。それらの店舗が公表している在籍人数・当日出勤人数を調査しています。結果は下図のとおりです。
在籍が90人超、当日出勤が50人超など「!?」な店舗も多いワケです。実際に電話すると「予約でイッパイ」「本日は体調不良で欠勤」など、予想通りです。
平均値を求めるには、全ての数字を足して、データ数で割る。でも、困った性質があります。1つ突拍子もないデータがあると、平均値はソレに引っ張られます。
不誠実な店舗が公表している在籍人数・当日出勤人数の影響を避ける必要があります。そこで「最頻値(最もよく観察される範囲)」「中央値(データを小さい順に並べたとき中央に位置する値)」を用いています。
・在籍人数:中央値29人/最頻値25~29人
・出勤人数:中央値12人/最頻値10~14人
その結果「在籍29人前後で出勤は12人くらい」というのが、平均的な性風俗店と考えられます。
この数字は、在籍女性が平均的に隔日で出勤していると、読み取れます。聞き取り調査でも週3~4日出勤との答えが多いようですから、在籍人数と出勤人数の比は、ある程度は信用できると考えられます。
ここで整理します。
・1店舗あたりの在籍女性人数は、29人と推計
・実際に営業している性風俗店の数は、9955店と推計(前回記事)
その結果「1店舗あたりの推計在籍人数29人×実際に営業している店舗数9955店=288695人」と推計。
この人数は、あくまで許可店「デリヘル系・箱ヘル系・ソープ」で働いている女性の人数です。
また、ピンサロ・ワリキリ・援デリなどを含めたセックスワーカーの総数は、倍にはならないハズです。冒頭の30~50万人と、大きく変わらないと考えられます。
つまり、現在までの約60年間は「セックスワーカーの人数は、あまり変わっていない」とも考えられます。よく耳にする「モラルの低下」「風俗嬢が増えている」などの言説は、単なる印象論かもしれません。
つづく
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