やるしかないのか!?やるしかない!! ~やっぱりやめた~
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2005年8月

 

(前略)

 

プライベートでは現在はソープランドに勤務する元AV女優さんから8ヶ月ぶりくらいに連絡がありました。

 

彼女と僕の関係は、10回くらいセックスした仲でした。彼女の家にも1ヶ月くらい居候させてもらった仲でしたが、過食症な為、毎回コンビニに行くと1人分なのにお弁当とお菓子で5千円くらい買い込み、一気に食って一気に吐き出す時が気持ち悪い以外はお金もあって素敵な人なんですが、ホストクラブにはまってしまったので僕にまでお金が回ってこなくなったので自然消滅した仲でした。

 

そんな彼女から8ヶ月ぶりに「会いたい」と連絡がきました。8ヶ月ぶりに会う彼女は、服装が地味になったのと、面白いことを言ってないのにバカみたいに笑っていること以外は何も変わってませんでした。ホストクラブにもずーっと行ってないとも言ってました。

 

僕達は、とりあえず居酒屋に入りました。久しぶりに会ったのに彼女は、自分のことばかり話します。僕の8ヶ月間の出来事はまったく聞いてくれません。彼女は自分の話を投げかけるだけで、僕からの会話を受けてくれません。話すのを止めると死んでしまう人のように話してました。ソープランドの仕事がいかに大変か、ホストさんの色恋営業に騙された自分がいかにバカだったかや、引っ越したいけどどこに引っ越そうか、関東地方に大地震が来るなどどうでもいいことを僕はひたすら聞いてました。

 

30分位して話し疲れた彼女が突然言いました。「会って欲しい人がいるの」

 

僕は言いました。「誰?」

 

彼女は言いました。「私にとって一番大切な人」

 

僕は思いました。「借りてたお金を返せということで恐い人が来るんだ」と。

 

僕は言いました。「男?」

 

彼女は言いました。「女の子だよ」

 

僕は思いました。「今日は、3Pあるな」と。

 

待つこと5分、彼女にとって一番大事だという女性がニコニコしながら現れました。年齢は35歳くらいで地味な方でした。山田と名乗るその女性は「園子温」という映画監督さんを知ってますか?といきなり質問してきました。何でいきなりそんな質問をするのか聞いたところ、キネマ旬報という雑誌が大好きらしく、園子温さんのインタビューが掲載されていたので、芸能に携わる僕に園子温さん情報を聞きたかったそうです。「面識ないです」と言うとがっかりしていました。

 

すると元AV女優は言いました。「聞いて欲しいことがあるんだ」と。

 

山田さんが重い口調になりました。

 

「関東地方にもうすぐ大きな地震が起こります。その時の為に今から備えないと駄目なんです」

 

僕は言いました。「どうしたらいいですかね」

 

山田さんは言いました。

 

「運を溜めるんです。運は溜めることが出来るんです」

 

「どうやって?」と僕。

 

「運を溜める袋を持てばいいんです」と山田さん。

 

たばこくらいの大きさの小汚い袋を鞄から大事そうに取り出し見せ付ける元AV女優。霊感商法の勧誘だということに気付くのに時間はかかりませんでした。

 

僕は、元AV女優さんとセックスをしに来たのに、インチキな袋を売りつけられムカついたので聞きました。「その袋を買ったら今日セックスできるの?」と。元AV女優さんはすごい勢いで怒りました。「今はそんな話じゃないでしょ。人生の大事な話してるんだよ」と。でも僕にとってはインチキな袋よりも今日のセックスが大事なので僕も怒って言いました。「袋買ったら、セックスできんのかよ」と。元AV女優は「できるよ」と言いました。山田さんにもセックスできるか聞いたら「出来ません」と言われました。

 

結局僕は5万円払いました。ニコニコ笑っている山田さんと別れ、僕は8ヶ月ぶりに元AV女優の家に行きました。彼女の家には8ヶ月前にはなかったインドのポスターが部屋中に貼ってありました。気持ち悪かったのですが、彼女の気が変わらないうちに射精を済ませ、先にシャワーを浴びさせてる間に彼女の財布から僕の5万円を抜き取り彼女の家を出ました。二度と彼女に会うことはないと思いますが、幸せになって欲しいなと思いました。最近は、お金のかからないセックスとかしたいなーとすごく思います。

ご連絡いただく前に以下のことをご確認ください。

 

 

ガスの元栓は開いていますか? → 開いていないときは元栓を開けてください。

 

水の元栓は開いていますか? → 水の元栓が開いていないときは開いてください。

 

ブレーカーは落ちていませんか? → ブレーカーが落ちている場合は、ブレーカーのスイッチを入れてください。

 

 

インターネットでのご連絡はこちら

当日の訪問希望などお急ぎの方はお電話でお申し込みください。

「しかし、引きこもりなのに芸能界に進むというのは珍しいなあ」

 

菅田将暉が言ったので、松坂桃李は以前テレビでも説明したことを繰り返した。別に芸能界に入りたかったわけでもなければ、映画が好きだったわけでもないんです。本当はどこに勤めてもよかったんですが、今の仕事が日本で一番高給だという噂を、あるインターネット掲示板の社会経済スレッドで見つけて、それでいまの事務所が主宰するオーディションを受けたんです。それだけの理由なんですよ。

 

「へえー」

 

菅田将暉は感心したような声を出し、

 

「失礼だけど、で、どのくらい貰っているんですか」

 

と訊いてきた。

 

「まだ三十歳やそこらだけど、それでも年に一億円と少しは貰ってます」

 

「そりゃあすごい」

 

菅田将暉はつづけて、このコロナ禍でエンタメ業界は四苦八苦の状態で、自分のところなどはそのしわ寄せをもろにかぶっていると嘆いてみせた。松坂桃李はそれからしばらく、日米の経済関係について話した。その中で、とりわけ基軸通貨というものの説明を少し詳しく行った。「八十日間世界一周」の主人公フィリアス・フォッグにはどこの国でもイングランド銀行券で買い物ができるというアドバンテージがあったこと。それが1931年にポンドが金本位制を離脱することで不可能になってしまった経緯。アメリカの登場。戦争。ミスター・ドッジがGHQのニューディーラーたちをやりこめた話。ドッジと池田勇人が密談で決めた時の為替レートは三十円ドル安だったこと。覇権国が必ず陥る海外債権の陥穽。ベトナム時代のアメリカの「ガン・アンド・バターポリシー」の矛盾。そして1971年のニクソンショックや竹下大蔵相時代のプラザ合意の裏話。ミスターYENと呼ばれたかつての大蔵省財務官の意外に低い省内評価。予算編成権など奪ったところで内角機能が十分に補強されない行政改革プランでは、実効性は乏しく、金融庁の役割など財政当局は一切期待していないこと。日米の不良債権問題が、インターバンク取引の発達で世界同時不況の契機となり得るシナリオはもはや陳腐で、米国は世界金融市場から日本経済を除外しても恐慌が発生しないシステムの構築を企図し、すでにおおよその体制づくりは終えていること——などについて、松坂桃李は喋った。

 

菅田将暉は熱心に松坂桃李の話に耳をかたむけ、彼の方は自分の周りの若手俳優の近況や暮らしぶりについて細やかな解説をした。ディレクターたちも二人がようやく打ち解けて話をはじめたので、傍らでほっとした顔をしていた。しかし松坂桃李は、菅田将暉が話すことに興味を感じなかったので、実際はほとんど聞いていなかった。

 

トークが進み、CMに移った。菅田将暉はとっておきの酒だと、スピリタスを持ってきて松坂桃李のグラスに注いだ。菅田将暉はすっかり寛いだ風情で、やはり松坂桃李の正面に座っていた。

 

「いやいや、お恥ずかしい話ですが、実は昨夜はよく眠れませんでしたよ。番組ディレクターが僕のところにきて、菅田さん、前々から呼びたいゲストがいるんですがなんて、突然桃李さんのことを打ち明けた時は、正直言ってぶったまげましてね。こう言ってはなんですが、あなたのことは引きこもりで人前で喋るのが苦手だと思っていましたから」

 

菅田将暉はグラスをぐいと傾け、

 

「だけど、いやいや、ほんとうに安心しました。またぜひ遊びに来て貰えますか」

 

と付け加えて、少し照れたような笑い方をした。松坂桃李はそれには答えず、ディレクターにトイレの場所を訊くと、立ち上がってブースを出ていった。