CASIO のプログラマブル関数電卓、FX-603P も購入して早 30 年。もうキズだらけだけど、今だに現役。

 

 

FX-603P はこの前の機種である FX-602P からいろいろ強化された機種で、BASIC を知っている人なら聞いたことくらいあるであろう、PEEK と POKE 命令がなぜか搭載されている。CALL が無いのは内部をいじって欲しくないという思いが込められているような感じで CASIO らしい気もする。

 

 

 

購入してすぐにこの 2 つの命令を使って内部の解析をした。だって PEEK, POKE あるってことは、そういうことでしょ ?

 

その結果で得られた情報により、普通の使い方とはちょっと違う使い方もできるようになっている。いわゆる「隠し機能」的なやつ。

 

 

 

 

元々がドットマトリック表示なので、アルファベットや数字、記号なども表示できるのは当然だけれど、表示できるのは基本的にはキーから入力できるものに限られる。

 

 

 

アルファベットも大文字、小文字とも表示可能。そう、パネルに書かれているものしかプログラムからは表示できないのが普通なのだ。

(しっかし、汚ったねーなぁw)

 

 

 

 

でも、解析した情報を使うと、例えば、こんな…

 

 

 

あらっ ? 

FX-603P 持っている人なら考えられない数字表示をしていることに気がつくはず。

 

 

 

 

あと標準機能では表示できないものとして、カタカナとか、

 

 

 

 

 

記号とか、

 

 

 

一部キーから入力できるものもあるけど、多くは標準では表示できないもの。

 

 

 

 

FX-603P は他にも面白い機能があって、おそらく LCD ドライバ IC の機能だと思うのだけれど、他機種で BASIC が搭載された CASIO のポケコン (FX-780P ? だったような記憶が...) で DEFCHR$ に相当する機能も利用できる。

 

 

右の4文字の、付点四分音符、万、FE、FF はプログラムでキャラクタを定義したもので、ビットマップデータをとあるアドレスに与えることで簡易グラフィックのような使い方ができる。キャラクタコードの 252 〜 255 までのわずか 4 キャラクタではあるけれど、同じキャラクタを同時に使わなければプログラムで必要な時にグラフィックデータを与えて違うものを表示することができて地味に便利。外字機能と言えばいいだろうか ?

 

 

 

他の処理をしながらだとあまり実用的な速度は出せないけど、それに専念すれば、1 ドット毎のスムーススクロール表現みたいなこともできる、っちゃぁできる。

 

 

実用的な範囲だと、プログラム演算の結果なんかで内臓されていない単位記号を作って表示したりできる (使ったことがあるのは 2 を底にする log2 の小さい下付きの 2 は FX-603P はキャラクタとして内臓していないので作って表示した)。

 

 

 

 

この他にも、プログラムの書き込みや編集時に今何ステップ目かとか、残り何バイト利用できるかを表示できる 7 セグ 表示機もアルファ文を表示し続けていれば使うこともできる。

 

 

右上の 4 桁の 7 セグ表示器に注目。0006 が表示されています。

 

普通、このような場面で表示されることは無いのです。有効に利用できるのは 0 〜 9 までの数字。A 〜 F までも利用できると面白いのだけれど、9 の次は A などでは無いのでした。

 

 

 

 

右上の 4 桁の 7 セグ表示器に注目。0007 が表示されています。

 

当時の解析だと 4 桁全てを表示することしかできないようだけど、00009999 までは表示できるので、ゲームなんかのスコア表示なんかに利用しようと、当時は思っていた。少ないけどグラフィックキャラクタも使えたしね。

 

 

 

こんな感じで、なかなか面白い機種なので、メモリの HEX ダンププログラムとかを解析した標準じゃない機能を駆使して作ったりしてた。数値だけなら普通のアルファ文より高速に表示できる機能も発見したりとか、当時はそこそこ遊ばせてもらった。解析過程で何回リセットボタンを押しただろうw

 

 

 

この機種って、電池がなくなってくると、画面にLow Battery ! が表示されて、AC キーを押して表示をクリアすると続けて使えるんだけど、しばらくそのまま使うと自動で電源が切れる機能が実装されている。

 

Low Battery ! が表示された時、ハードウェアのパワーオフカウンタが動き出すことや、その時間も設定できることがわかっていて、パワーオフまでの時間を少ない時間で指定すればプログラムから電源落とせるとか、ホント面白い機種。約 1 秒毎に変化するカウンタもあったっけ。

 

 

 

2021 年でも演算速度はまぁまぁ速い方ではあると思うけど、HP prime のような爆速機には遠く及ばないし、そもそも技術者が物理的な電卓をあまり使わない時代なのかな ? って思うことがある。誰でも PC 使うしね。

 

 

 

でも、自分はこう言う「形のある物」として手元にある方が好きなのよねぇ。